そりゃあ死体に言葉もクソもねぇよ! 何より一番マヌケに感じるのが、死んでいるはずのウマシカの表情が未だに凛々しいということ……! カッコつける前に、頭の方をどうにかしろよ……。 ウマシカの予想の斜め上を行くおバカっぷりを見て、俺は哀れに思えてならない。 すると、そんなウマシカをしばらく無言で眺めていたオッサンは、不意に口を開いた。 「死んじまったもんはしゃあねぇ。馬刺しにして食うか」 「おっさあああああああああん!」 アンタに愛情はねぇのかっ! せめて、供養してやれよ……! 馬車馬のように働く 意味. 俺の気持ちに気づいたのか、オッサンは俺の方を向いて説明した。 「ウマシカは食えるんだよ。だからこそ、こうして死んじまったときは、飼い主は全員、ウマシカを食うのさ」 「なるほど……」 「馬だけに、美味いってな!」 オッサンの渾身のオヤジギャグは、スルーしてやった。 「しっかし……コイツが死んじまったせいで、紹介できる馬が後2種類だけだぞ……。それに、その2種類はちとワケアリだしな……」 「えっと……どんな理由が?」 俺の質問に、オッサンは一瞬考え込んだが、再び俺を違う檻まで案内する。 「まあ、見た方が早ぇ。ついてこい」 こうして俺はついていくと、ウマシカや、馬竜なんかとは比べ物にならないほど、頑丈そうな檻にたどり着いた。 しかも、先ほどのような鉄格子ではなく、完全な鉄板のようなもので囲まれており、扉の部分の小窓でしか中を確認する方法はなさそうだ。 「いいか? コイツは、俺ですらよく分からない生き物なんだ」 「え?」 「なんとなく馬っぽい見た目してるから、こうして紹介したが……とにかく、見てみろ」 そう、オッサンに促された俺は、小窓から檻の中を覗いてみる。 「ォォォォォオオオオオオオオオオォォォォォ」 即座に小窓を閉めた。 ………………。 「おかしいな……馬じゃなくて、モンスターが見えたような……」 俺はもう一度確認するため、小窓から檻の中を覗いた。 檻の中には、黄色い皮膚で四足歩行、そして目や鼻はなく、口が3つあるわけの分からない生物がいた。 …………。 「見間違えじゃなかった……!」 馬なんかじゃねぇ! あれはモンスターだっ! しかも、馬竜や今まで戦ってきた魔物たちよりもモンスターっぽいぞ! いろいろと混乱するしていると、オッサンはしみじみとした口調で言う。 「うーん……相変わらずわけ分からんな。長年様々な魔物を見てきたが、ここまでエグイ見た目をした魔物は初めてなんだ。正直、キモい」 すげー。魔物を売ってる人間も引くほどの見た目らしい。 俺はもう一度小窓から中を覗きこみ、鑑定のスキルを発動させてみた。 『未確認生命体Lv??
もうちょっと他に名前なかったのか? 確かに、鹿のツノみたいなのが生えた馬だけれども……。 「初心者用って言ってはいるが、コイツはいろいろと優れてるんだぜ? まず、馬力が違ぇ。さっきの馬竜の2倍はあるな」 「2倍!? 」 ウマシカすげー! 「速さも異常で、馬の種類の中でも上位に食い込む速さを備えてやがる。そのうえ、主には忠実で、馬竜みたいに野生でも凶暴ってわけじゃない。まあ、いい馬だよ」 本当だよ! さっきの馬竜が霞んでるよ!? 名前は負けてるけど、性能がトンデモねぇ馬だな! もう、俺の心はこのウマシカに決まりかけていた。 だが、オッサンはここにきて、驚くことを言い放った。 「ただな? コイツは……驚くほどに馬鹿なんだ」 「名前のまんま!? 」 まさかのウマシカじゃなくて、本当にバカだったのかよ! 衝撃の事実に、俺が思わずツッコむと、オッサンは続ける。 「どれくらい馬鹿なのかって言うとだな……まず、行き先にたどり着けない」 「すでに致命的っ!」 「エサを食ったことを忘れる」 「マジで!? 」 「飼い主を忘れる」 「一番ダメじゃねぇか!? 」 「そして……呼吸を忘れる」 「死んじゃうよ!? 」 「ああ。だから、死んだことさえ気づかないんだよ……」 「究極の馬鹿だなっ!」 救いようがねぇ……! 無駄に凛々しい顔だちしてるくせに、フタを開けてみればただの駄馬じゃねぇか! せっかくのハイスペックが台無しだよっ! ツッコミどころ満載のウマシカに、俺はいろいろと疲れてしまった。 息を整えていると、ふと俺はあることに気づく。 ……馬竜のときは、無条件にスキルが発動したのに、なんでウマシカに対してはスキルが発動しないんだ? 馬車馬(ばしゃうま)の意味や使い方 Weblio辞書. そんな疑問に、首を傾げていると、オッサンはいつの間にかウマシカの檻の中に入っていた。 「まあ、確かに馬鹿だけどよ。きちんと調教さえすれば、立派な馬として使えるんだよ。なっ!」 オッサンはそう言い、ウマシカの首を叩いた。 ……ドサッ。 その瞬間、ウマシカは立っている状態のまま、オッサンに叩かれた方向とは逆向きに倒れこんだ。 突然倒れたウマシカを見て、オッサンは一言。 「……あ。死んでやがる」 ウマシカあああああああああああっ! まさか本当に息をすることを忘れて死んだの!? もう馬鹿って単語で片づけられないような気がするんだけど!? スキルが発動しないと思ったら、死んでたのね!?
?』 まさかのUMAだとおおおおおおおおおお!? 馬じゃねぇ、UMAだ! おかしいと思ったよ! 魔物以上にモンスターなわけだっ! しかもレベルはハテナマークだしな!? 「お、オッサン……一応訊くけど、このUMA……どうしたんだ?」 「確か……城壁の外で馬や他の魔物たちのエサを調達してた時、空から降ってきたんだよ。いやあ、あの時は驚いたぜ!」 「驚いたで済む話じゃねぇよ!? 」 空から女の子じゃなくて、UMAなんだぜ!? ジ○リもビックリだよ! いつにもまして、激しいツッコミを繰り広げていると、馬竜のときと同じように、無機質な声が頭に響いた。 『全言語理解のスキルを発動――――成功。未確認生命体の言語が理解できるようになりました』 成功してしまったらしい。 これで俺は、人類の夢……宇宙人とコンタクトができるぞ! ……あれ? なぜだろう、全然嬉しくない……! 恐る恐る、俺はUMAの言葉を聞いてみるため、小窓から檻の中を覗いてみた。 『…………コロスコロスコロスコロスコロスコロス…………ニンゲン、ゼッタイ、ユルサナイ……』 「オッサン、最後の馬を見に行きましょう」 俺はUMAの言葉を聞かなかったことにした。 うん、俺は何も聞いてない。そう、怨念こもった声なんて、一つも耳にしてないぞ……! 馬と人 » 馬をもっと知る. 「お? コイツはいいのか?」 「うん、もう大満足。絶対要らないから安心してくれ」 「そうか? ならいいが」 再びオッサンに連れられ、違う檻にたどり着く。 すると、オッサンは眉間にしわを寄せた。 「ハッキリ言うがな? 一番お勧めできないのは今から見せる馬だ」 「なんせ、主の言うことを聞かない。交尾させて新しい馬を生ませようにも、オスの馬を全部蹴り飛ばす。だから、ソイツは生まれてから一度も交尾してねぇ。人を近づければ、この俺にさえ蹴りかかってくるんだぞ? 正直、子供を産まない雌馬なんて、無駄飯食らいで邪魔なんだ。まあ、俺は自然と死なない限り、命を奪ったりしないようにしてるからよ。エサだってやるし、一応最後まで面倒は見るんだが……。邪魔に感じるのは俺のせいってのもあるかもしれないしな」 「ええっ? でもそれなら、さっきのUMAの方が危なくないですか? あれ、まったく友好的な雰囲気を感じられなかったんですけど」 俺が至極当然のことを言うと、オッサンは大きなため息を吐く。 「確かに、危険度や言うことを聞かないといった点で言えば、あの化け物が一番だろう。だが、アイツは俺も知らない生物っていう希少価値がある。まだ、その方が商品としての価値もあるから、売れる可能性が高いんだ。そして、俺が頭を抱えている馬は、その希少価値すらねぇ。むしろ、ただの馬にさえ劣る。もうわかるだろ?
カゲキな新生活が今、始まる! 義理の姉であり、思いを寄せる相手でもある陽菜(ひな)が不倫をしている!? 夏生(なつお)と瑠衣(るい)は協力して、どうにか不倫相手を付き止めようと奔走する。そして遂に! 不倫相手の萩原柊(はぎわら・しゅう)と対面するが、柊は、別れる気などないと語る……。果たして、この歪な関係はどんな終結を迎えるのか!? 陽菜(ひな)にフラれ、傷心の夏生(なつお)は誘われるがままに恋多き少女・柏原(かしわばら)ももの家へとやって来た。陽菜を忘れるため、ももと付き合おうと決心する夏生。部屋に入るなり、抱きついてきたももとベッドの上へ……。夏生は新たな恋に走るのか!? 「藤井(ふじい)くんから見て、私みたいな子ってどうなのかな……? 」。文芸部の部長・美雨(みう)から突然の質問をされ、戸惑う夏生(なつお)。一方、陽菜(ひな)は元・不倫相手の柊(しゅう)が離婚したと知り大きく動揺する……。さらには、夏生と瑠衣(るい)の関係にも新たな変化が起きて……!? ※袋とじおまけマンガは電子版には収録していません。 ついに両思いとなった夏生(なつお)と陽菜(ひな)。だが、この関係は周りに明かすことはできない。許されない恋に戸惑う陽菜、関係を進めたいと焦る夏生。二人の気持ちには段々とズレが生じ始めて……。そんな折、【淫行教師】を断罪するFAXが突然送られてきた! 文化祭直前にして、学校が揺れる――。 「あたし これから、あんたのこと嫌いになる」。陽菜(ひな)と夏生(なつお)が付き合っていることを知った瑠衣(るい)は、【夏生を嫌いになる】ことを決心する!? 各々が複雑な思いを抱えつつ、修学旅行で舞台は沖縄へ! ヤフオク! - ドメスティックな彼女1巻~26巻. 旅先では、陽菜の水着が流され、アルが瑠衣への告白を決心したりと波瀾万丈!! そして夏生と陽菜がついに、初めての夜を迎える──。 陽菜(ひな)が消えてしまった…。夏生(なつお)を守るため、陽菜は誰にも行き先を告げなかった。彼女への想いが断ちきれず、憔悴する夏生には瑠衣(るい)ですら、声をかけることができない。しかし、そんなどん底から立ち直るため、夏生は大きな決断を自らに下したのだった──。 夏生(なつお)のもとを去り、新たな生活を始めていた陽菜(ひな)。彼女の目の前に突如、かつての不倫相手・柊(しゅう)が現れた。いっぽう夏生は、段々と瑠衣(るい)に心惹かれてゆく自分の気持ちと向き合うことができず、思い悩む日々を過ごしていた──。 高まる瑠衣(るい)への想いから、ついにキスを受け入れてしまった夏生(なつお)。一方、新天地の生活に励む陽菜(ひな)は、夏生への愛情を捨てきれずにいた。すれ違い、絡まり合う三人の恋模様は、偶然の出会いから再び動き出す──!
全冊分のマンガ本用クリアカバーを無料でプレゼント。「カートに入れる」をクリックした後に選択できます。 ポイント1% 10 pt 作品概要 公式で、ヤリすぎちゃいました。 全編 原作者・流石景が執筆! 『ドメカノ』人気ヒロインのちょっぴりエッチな短編集っ! 週刊少年マガジンに"袋とじ"として掲載された5編、単行本初版特典&特装版でしか読めなかった4編、 さらに読者投票企画「妄想エピソード総選挙」にて勝ち抜いた人気ヒロイン・ミヤビ&ミウの描き下ろし「if」ストーリーも収録! 全『ドメカノ』ファン必見! ヤリすぎちゃった珠玉の短編集です!! この作品にはレビューがありません。 今後読まれる方のために感想を共有してもらえませんか? レビューを書く
ひとつ屋根の下で暮らすことになった3人のピュアな三角関係を描く、流石景の原作コミックをアニメ化したラブコメディ第1巻。合コンで出会った瑠衣と初体験してしまった高校生・夏生。ある日、父の再婚相手の家族が訪ねて来て…。第1話から第3話を収録。 貸出中のアイコンが表示されている作品は在庫が全て貸し出し中のため、レンタルすることができない商品です。 アイコンの中にあるメーターは、作品の借りやすさを5段階で表示しています。目盛りが多いほど借りやすい作品となります。 ※借りやすさ表示は、あくまでも目安としてご覧下さい。 貸出中 …借りやすい 貸出中 貸出中 …ふつう 貸出中 …借りにくい ※レンタルのご利用、レビューの投稿には 会員登録 が必要です。 会員の方は ログイン してください。