腰椎 固定 術 再 手術 ブログ

Fri, 12 Jul 2024 03:13:22 +0000

日が落ちても雨の勢いは衰えず、ざぁざぁと窓や屋根を叩きつけた。ここまで雨が続くとなると、さすがの彼も気が滅入っていた。死体は無い。授業はつまらない。警部には、会っていない。彼女の勤務日程など把握してはおらず、いつが非番か把握はしていない。 悶々とし体が疼く。彼女に数日会っていないだけなのに、すでに心の中にぽっかりと穴が開いてしまったような気になってしまう。 「かか様、僕、最近警部に会えていないのです。事件も死体もなく、雨で気分が憂鬱なのです。勉学のほうは相変わらず、つまらないです。僕はただ、死体を解剖し愛でればそれでいいのですけれどね」 卓上の『 首 ( 母) 』に話しかける神戸。それは何も喋らず、動きもしない。誰も居ない帝大のこの別棟で寝泊りをしている彼は、毎晩と言っていいほどそれと話をしている。一方的な会話に満足した後は『首』を棚に仕舞い、詰所へ戻ると布団を敷き寝巻に着替えた。 明かりを消そうと 洋燈 ( ランプ) に手を掛けたとき、窓をコンコンと叩く音がした。 神戸はぴくり、と体を揺らし、窓のほうへと目線を移す。外は暗がりで雨粒以外何も見えない——と思ったが、そこに人影を発見した。 「……警部……?」 外に立っていたのは天野だった。見ると警帽は右手に持ち、結われていた髪は下ろされ頭から絝まで水が滴っていた。 「警部!