尤も(もっとも)らしさ、のことでしょ?
2. いろいろな事前確率において事後確率がどう推移するかグラフ化 コロナウイルスのPCRの感度や特異度は報告によってまちまちです. だいたいいろいろなところの情報源を漁ってみると、感度30~70%、特異度は99%というところに収まりそうですので、感度を30%、50%、70%の場合に分け、特異度は99%で固定して検討してみることにします. 事前確率ですが、3/4の夕刊に「国内症例1000例超える」の文字が躍っていましたので、現時点で全国民を症状の有無や背景に関係なくランダムに検査した場合を一番下の事前確率とします. 日本では3/1の時点の 厚生労働省の発表 で1688件PCRを実施し、そのうち224件が陽性であり、13. 3%の陽性率でした. これから爆発的に患者が増えていき、有病割合が30%くらいまでの想定をしながらグラフ化してみることにしましょう. 陽性尤度比とは?求め方は?|医学的見地から. 特異度は99%で固定、 感度を30%、50%、70%の場合に分け てグラフ化してみます. 未だに流行が確認されていないような地域(グラフの左寄り)で、ランダムに検査してしまうと、仮に陽性とでてもその結果は信頼できない(10%も行かない)ものになりますし、逆に流行期においては検査が陰性であっても誤って疾患がないものとして分類されてしまう患者の割合が多くなってしまいます(グラフの右寄り). ということで、まとめると 事前確率の低いときにはPCR陽性結果を鵜呑みにできない こと、 流行期に入るとPCR陰性でも結構な割合で患者がいる ということになります. ここで、 非流行地での孤発的な陽性例 にどう対応するかが非常に問題になることが想像できると思います. 渡航歴や濃厚接触歴、呼吸器症状など、周辺的な情報をかき集めて事前確率を設定するしかないと思います. 濃厚接触歴がなく、呼吸器症状も乏しい、非流行地の患者さんが、職場からの求めでやってきた、という状況を想像していただくと、かなり左端に近い集団になりますので、PCRの結果が陽性でも陰性でも全くあてになりません. 逆に、入院患者や重症度の高い患者ではグラフの右寄りになっていくわけですが、たとえ事後確率がそれほど高くなくてもやはりPCR陽性例に対しては診断が正しい前提で進めるしかないでしょう. また、流行期や、患者の状態によってはPCR陰性であっても陽性例と同じ対応をする、という判断が必要になる場合があります.
尤度比 likelihood ratio 感度 と 特異度 の比を表すもので, 感度 ÷(1- 特異度 )で計算します. 感度 または 特異度 が高いほど,大きな値をとります.これは正確には陽性尤度比と呼ばれるもので,10より大きくなると有効な検査と判断できます.これとは反対に,陰性尤度比というものもあります.陰性尤度比は(1- 感度)÷ 特異度 で計算され, 感度 または 特異度 が高いほど,小さな値をとります.0. 1よりも小さくなると有効な検査と判断できます.
英 positive likelihood ratio, LR+ 関 感度 、 特異度 、 尤度比 、 陰性尤度比 。 相対危険度 と混同するな 疾患あり 疾患なし 検査陽性 a 真陽性 b 偽陽性 検査陰性 c 偽陰性 d 真偽性 「疾患を有する人」が「陽性」になる確率 と 「疾患を有さない人」が「陽性」になる確率 の比 真陽性 / 偽陽性 = 感度 / ( 1- 特異度) 使用例 A疾患の 検査前確率 がPb (%)の人がいる。 B検査を行ったところ陽性であった。 検査後確率 Pa (%)はどのくらいか?