この言葉こそが、桜良の本当の気持ちだと感じます。少年は、その問いに答えることが出来ません。普段なら、冗談で返していてもおかしくないのですが。少年は、その言葉が桜良の本心だと直感的に理解したのかもしれません。 【? ??? 中学生 読書感想文 映画化. ?】としか想像できないこと 文章中に少年の名前は出てきません。最後に出てくるのですが。少年のことは、【秘密を知っているクラスメイト】【大人しい生徒】【仲良し】などと表現されています。周りが自分のことをどう思っているのか想像することが、少年の癖です。 名前を呼ばれた時に、僕はその人が僕をどう思ってるか想像するのが趣味なんだよ 彼は周りとの関係を築きません。だから、自分で想像するのです。関係を築けば、想像することなく分かるからです。そのように想像することで、自分の位置を確認し自己完結してしまうのです。しかし、ある時から、桜良からの呼びかけが 【???? ?】 となります。桜良が、自分を何と呼んでいるか分からないのです。 それまでは【秘密を知っているクラスメイト】【仲良し】と、桜良が自分に対し何と呼んでいるか想像できています。それが分からない。桜良の本当の気持ちが分からない。ようやく、彼は桜良の気持ちを分かろうとする。それは、彼が変わっていっていることを表しています。桜良といることで多くの影響を受けているのです。桜良が、自分にないものを彼に求めていたように、彼も桜良に求めていたのかもしれません。 最後に この小説において、二人の関係は一体何だったのでしょうか。日が経つほどに、お互いが惹かれていくのが分かります。しかし、単なる恋愛で片付くような感情ではありません。単なる恋人同士の話なら、ここまでの感動は有り得なかった。異性としてだけでなく、人としてお互いに惹かれていた。そういうことでしょう。 「君の膵臓がたべたい」 この言葉が、最後に出てきます。その時、彼らがお互いに抱いていた思いが同じであることが分かります。この言葉に二人の関係が凝縮されていると感じます。そして二人の関係が終わるのが、予定されていた余命の中での別れでなかったことがとても悲しい。死ぬことに変わりがないとしても。 突然の死は、伝えるべきこと・知りたかったことに気付いても手遅れだからです。 彼は、桜良が自分のことを何と呼んでいるのか知りたかった。【???? ?】の中身です。彼は、桜良の遺書を読むことで、彼女の本心を知るのです。しかし、すでに彼女はいない。知ったことに対し彼女に何も出来ない。してあげられない。そのことが、読んでいてとても辛い。 ただ、決して辛いだけで終わる訳ではありません。彼は、彼女のように他者との関係性の中で生きることを選びます。そして1年が経ちます。「時が解決する」という訳ではありませんが、どんな辛い思いも和らぐ時が来ます。忘れることではなく、桜良の死を受け入れ、桜良の心とともに生きていくということなのでしょう。悲しいだけでなく、爽やかな読後感を与えてくれます。 住野よるさんのデビュー作ということですが、素晴らしい作品だと思います。 住野よる 双葉社 2017年04月27日
住野よる『君の膵臓をたべたい』(双葉社、のち双葉文庫)。 かたくななまでに根暗な少年が、あけっぴろげな少女との出会いで変わっていく、という物語は結構イライラする訳ですが(例えば『くちびるに歌を』『僕は小説が書けない』、ちょっと悲惨だけど『果てしなき渇き』とか、ある意味『桐島、部活やめるってよ』とかも)、その極北みたいな小説。難病にかかっているとはいえ(自暴自棄とも違う)主人公桜良の行動の突拍子のなさは、読んでてきついところもあり。しかし、人生、運命や偶然ではなく、すべてが自分の選択だ、という彼女の信条は説得力あり。最後が軽すぎだが、それなりに読ませる本だった。 (2015年11月) #読書 #読書感想文 #住野よる #君の膵臓がたべたい #双葉社 #くちびるに歌を #僕は小説が書けない #果てしなき渇き #桐島部活やめるってよ この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか? 気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます! 毎日読書メモ(46)『君の膵臓をたべたい』(住野よる)|eneo|note. 是非他の投稿も読んで下さいね! 読書、ヴァイオリン、オーケストラ、ビーズ、マラソン、ウルトラマラソン、観劇、美術館、ガレット・デ・ロワ、顔ハメ、ちょっとだけ乗り鉄。
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内容(「BOOK」データベースより) 律のおかげで、またピアノをひけるようになった風音。こんどは律のために、なにかをしたいと思う。その矢先、あるコンクールのことを知り、律のために入賞することをちかう。一方、みなこ先生のレッスンに行くと「ふうん、あんたがタカハラカザネか」といういやみな男子・柊哉がいて…?? 風音はコンクールで入賞できるのか。柊哉、そして律との関係は!? ピアノをめぐる初恋ストーリー、第2弾! 小学上級・中学から。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 榎木/りか 1月13日生まれ。漫画家。児童文庫や小説の挿絵などを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ついに、風音の恋がうごきだす!! ピアノをめぐる初恋ストーリー、第3弾! 「わたし、ピアニストになりたいんです」ピアニストへの夢をますます強くしている風音。律くんといっしょの運動会の応援団にはいり、友だちと恋の「ミサンガ」作りをしたりと楽しくすごすけれど、運動会の翌日が大事なピアノのコンクールで……!! 風音は応援団を続けていていいのか迷いはじめて……? ひたむきなピアノが奏でる恋のメロディ♪ ピアノをめぐる初恋ストーリー、第5弾!! 放課後、きみがピアノをひいていたから ~いのり~- 漫画・無料試し読みなら、電子書籍ストア ブックライブ. 「ぼくといっしょにフランスにきませんか?」有名なピアノ指導者・仁科さんから、留学の誘いを受けた風音(かざね)。ピアニストをめざす風音にとって夢のようなできごとに喜びながらも、気持ちはゆれうごいていて、片想いの相手の律くんに留学のことを秘密にしてしまう。そんなおり、風音たちは京都に修学旅行に行くことになって……? 胸きゅんいっぱいのピアノ物語。ピアノをめぐる初恋ストーリー、第6弾。 ピアニストになりたい風音(小6)。有名なピアノ指導者から、フランスに留学にいかないかと誘われている。「風音。フランス、行きなよ」片思い相手の律くんの言葉もあり、少しずつフランスへいく気持ちがかたまってきたとき、風音のママが倒れたという知らせが入った……! 風音は動揺した気持ちのまま、大事なピアノコンクールに出場したけれど、手が止まってしまう。失敗して涙がとまらない風音を、律くんがはげましてくれて……? 大人気ピアノストーリー第7弾! この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています 集英社みらい文庫 の最新刊 無料で読める 児童書 児童書 ランキング 作者のこれもおすすめ
最新刊 作者名 : 柴野理奈子 / 榎木りか 通常価格 : 649円 (590円+税) 紙の本 : [参考] 704 円 (税込) 獲得ポイント : 3 pt 【対応端末】 Win PC iOS Android ブラウザ 【縦読み対応端末】 ※縦読み機能のご利用については、 ご利用ガイド をご確認ください 作品内容 ピアニストになりたい風音(小6)。有名なピアノ指導者から、フランスに留学にいかないかと誘われている。「風音。フランス、行きなよ」片思い相手の律くんの言葉もあり、少しずつフランスへいく気持ちがかたまってきたとき、風音のママが倒れたという知らせが入った……! 風音は動揺した気持ちのまま、大事なピアノコンクールに出場したけれど、手が止まってしまう。失敗して涙がとまらない風音を、律くんがはげましてくれて……? 大人気ピアノストーリー第7弾! 作品をフォローする 新刊やセール情報をお知らせします。 放課後、きみがピアノをひいていたから 作者をフォローする 新刊情報をお知らせします。 柴野理奈子 榎木りか フォロー機能について 放課後、きみがピアノをひいていたから ~プレゼント~ のユーザーレビュー この作品を評価する 感情タグBEST3 感情タグはまだありません レビューがありません。 放課後、きみがピアノをひいていたから のシリーズ作品 1~7巻配信中 ※予約作品はカートに入りません ピアノの音――? ある日、風音(小6)が音楽室をのぞくと、そこには転校生の早瀬くんがいた。「つぎどうぞ」「ううん、わたしはひかないから」「えっでも…」。その日から話をするようになった2人。あるとき、風音は、ピアノがひけなくなった一年前のできごとをうちあける。すると、なにも知らないはずの早瀬くんから、風音のピアノが好きだと言われ――!? 律のおかげで、またピアノをひけるようになった風音。こんどは律のために、なにかをしたいと思う。その矢先、あるコンクールのことを知り、律のために入賞することをちかう。一方、みなこ先生のレッスンに行くと「ふうん、あんたがタカハラカザネか」といういやみな男子・柊哉がいて……?? 風音はコンクールで入賞できるのか。柊哉、そして律との関係は!? 「いっしょにがんばろうね!」2つの小学校の合同合唱祭で、南小の風音はピアノの伴奏を、律くんは指揮をすることに! はりきっていたものの、北小の指揮者レナちゃんに、「律くんとの仲を協力して」と言われてしまう。練習がうまくいかず、律くんともすれちがう風音。そんなとき、北小の伴走者の柊哉くんからとつぜんの告白が……!?