所定労働時間で働くフルタイムとその一部の時間で働くパートタイムには、それぞれ異なるメリットが存在します。自分に合う働き方はどちらなのか悩んでいるシニア世代の人のために、それぞれの特徴を紹介します。働き方によっては、年金の受給や税金の支払いで損をしてしまう可能性もあるので、注意点もチェックしてくださいね。 フルタイムとパートタイムの違いは? フルタイムとパートタイムは、一般的に勤務時間の長さによって分けられます。それぞれの働き方には具体的にどのような違いがあるのでしょうか。 フルタイム 「フルタイム」は、職場ごとに定められた所定労働時間で働く働き方、または所定労働時間で働く人のことを指します。所定労働時間というのは、就業規則などで決められている始業時刻から終業時刻までの時間(※)のこと。つまり、正社員と同じ労働時間です。具体的な時間数は職場によって異なりますが、一般的には、労働基準法によって定められている法定労働時間の上限である「1日8時間、週40時間」のケースが多いでしょう。シニア世代でもまだまだしっかりと働きたいという方にぴったりの働き方です。 ※休憩時間は差し引く パートタイム 一方、「パートタイム」は、所定労働時間の一部(パート)だけ働く働き方、または一部だけ働く人のことを指します。労働時間が短いため、「短時間労働」や「短時間労働者」とも呼ばれます。この働き方は拘束時間が短く、体力的な負担が少ないため、定年退職後のシニア世代からも人気です。 フルタイムで働くメリットは?
フルタイム勤務とパート勤務の違いは?収入や勤務時間を比較してみました! 公開日: 2018. 08. 20 最終更新日: 2021. 06. 17 パート勤務とフルタイム勤務の違いとは?
続いて、パートタイムのメリットを紹介します。 希望する曜日や時間に働きやすい パートタイムで働く場合、出勤する曜日や時間はシフトによって決められます。面接時に出勤希望日を聞かれ、「平日の9時〜14時」「土日の15時〜20時」などというふうに、曜日や出勤時間が固定された"固定シフト"で働く場合もあれば、1カ月ごとや2週間ごとに休み希望を聞かれて"変動シフト"が組まれるケースもあります。いずれにしても、すべての営業日に出勤しなければいけないわけではないので、勤務先の了承が得られれば、プライベートの予定に合わせて働くことができるでしょう。 配偶者が社会保険に加入して働いている場合は、配偶者の扶養に入れる シフトによって働くパートタイムは、フルタイムより収入額が減ってしまいがち。しかし、一定の所得額を下まわると、配偶者が働いている場合はその扶養に入れるというメリットがあります。配偶者の扶養に入れば、社会保険料の自己負担がなくなるほか、所得税や住民税の一部も免除されます。 パートタイム・フルタイムを切り替える際に覚えておきたい注意点 それぞれのメリットを知って、働き方を切り替えたいという人もいるのではないでしょうか?
フルタイム勤務で受け取れる有給休暇の日数は10日 で、 仕事を始めて半年 経つと与えられます。 一方、パートタイム勤務の場合は、たとえば週の所定労働日数が3日で労働時間が週30時間未満なら、勤続半年で5日の有給休暇を取得できます。 取得できる有給休暇の日数は、 週の所定労働日数・時間や勤続年数によって変わります。 フルタイムやパートは賞与をもらえる? 従来、賞与をもらうには「 正社員であること 」が条件の会社も多く、フルタイムであろうとパートであろうと、 非正規雇用である限り、賞与をもらえないケースが一般的 でした。 しかし、同じ仕事には同じだけの賃金が支払われるべきという「 同一労働同一賃金 」の考えに基づく法改正によって、 2020年4月から雇用形態による不合理な待遇格差をなくす動き が広まっています。 この法改正により、 正社員と非正規雇用で給料や賞与の金額に差をつける場合、合理的な理由が必要 になりました。 今後は「非正規雇用だから」という理由だけで賞与が支給されない会社は減っていき、 正社員と同じ仕事をしている場合、同じだけの賞与が支払われるようになると期待 されています。 ※同一労働同一賃金について→ 同一労働同一賃金とは?非正規の給料や賞与、働き方はどう変わる? フルタイムで働いたら残業させられる? 就業規則に所定労働時間を超える労働があると明示されていれば、 フルタイムでもパートでも残業はあります 。 ただし、パートタイム勤務者が残した仕事をフルタイム勤務者が引き受けることもあるため、どちらかと言うと、 フルタイムのほうが残業する可能性が高い かもしれません。 残業した場合は会社に残業代をもらいましょう。また、残業した分の給与がきちんと支払われているか、残業代の正しい計算方法を理解しておくと良いでしょう。 ※残業代の計算方法について詳しくは→ 正しい残業代の計算方法【すぐわかる図解つき】 フルタイムで働くのはきつい?