38 彼は主人公にとって特別な友人だ。事業に失敗した時も、妻に逃げられた時も 彼は一度も主人公を見捨てなかったのだ。 彼にやっと恩返しができると思うと主人公は嬉しくてたまらない。 さて、この先どうしようかと主人公は考える。 自分の過去と現在は殆ど思い通りに変えることが出来た。だが人間というものは ひとつの欲望を満たすと、更に次の段階に進みたくなるものだ。次は未来だ。 我がドイツは将来、戦争に負けて悪の枢軸と呼ばれることになる。 主人公は、タイムマシンで未来をも見てきた。 主人公の愛する孫たちは、戦火の中で無残に死ぬことになる。 それを防ぎ、未来を変えるための戦略プランを練る。 そのためには有能な仲間が必要だったのだ。 過去から帰ってくる彼は、必ず私に協力してくれるだろうと主人公は確信する。 我々は、世界を変えるのだ。エーミールのちょうは、そのはじめの一歩になってくれる。 主人公はニヤリと笑いながら、モニターを眺める。(終わり) 10 : 名無し物書き@推敲中? :2015/02/26(木) 08:33:21. 少年の日の思い出 全文. 97 >>7 ありがとうございます!直します。 11 : 犯罪編① :2015/02/26(木) 08:39:00. 73 彼は、小さくため息をつき、静かに話を終えた。 「すまない。つまらない話を長々と聴かせてしまったね」 気まずそうに謝る彼に、私は答えた。 「いや・・・辛いことを話してくれてありがとう。君の心が少しでも軽くなるといいんだが」 「もう一度、もう一度だけでいいんだ。彼に会いたい。許してもらえなくても構わない。 エーミールの引越し先すらぼくには分からないままなんだ」 そのとき、妻が酒のつまみを持って部屋に入ってきた。 すると友人は妻にいかがわしいことをした。妻は悲鳴をあげて 「あなた!この人変よ!」と言った。彼はニヤニヤしながら 「そうです、私が変なおじさんです」と言った。 私は警察に通報し、警官が駆けつけた。警官がハッとした顔で友人を見る。 「あっ、君は!」「お前はエーミール!」友人も驚いたようだった。 まさか、こんな形で彼とエーミールが再会するとは。 12 : 犯罪編② :2015/02/26(木) 08:40:27. 51 「こいつは、一体何をしたんです?」エーミールがきいたので、私は憤慨して答えた。 「私の妻にいやらしいことをしたんです」 「なんてやつだ。やはり、君はそういうやつだったんだな」 エーミールは軽蔑の目で友人を見た。 「ぼくのちょうを台無しにしただけでなく、友人の奥さんをどう扱うのかも、ぼくはよく分かったよ」 「ふん。相変わらずムカつく奴だ。世界の代表みたいな顔をして、正義を盾に人を責め立てやがって」 「被害者ぶるな、変態め」 「僕は変態という名の紳士なのさ」 ドヤ顔でマンガの決め台詞を言いながら、友人はニヤリと笑った。 (何言ってんだ、こいつ)と私は思った。 「こいつを連れて行け」とエーミールが部下に命じ、友人はパトカーに乗せられていった。 「災難でしたね。あんな奴と付き合わないほうがいいですよ。僕は昔・・・」 「ええ、クジャクヤママユの話を聞きましたよ。酷い話だ。昔からああなんですか」 「昔から、ああいう奴ですよ」 エーミールは吐き捨てるように言った。 ぼくとエーミールは意気投合し、生涯の親友となった。(終わり) 13 : 1 :2015/02/26(木) 08:44:21.
こんにちは、かしぱんです。 皆さんは子供の時に、少年の日の思い出という小説を国語の授業で読んだことはありますか? その小説に出てくるエーミールという少年がものトラウマレベルで印象に残っています。 その少年の日の思い出とエーミールについて紹介していきたいと思います。 少年の日の思い出の作者、ヘルマン・ヘッセ 少年の日の思い出は、ヘルマン・ヘッセ(1877~1962)の書いた小説です。 ヘルマンヘッセはドイツの有名な作家で、「車輪の下」や「ガラス玉演戯」をはじめとする作品が高く評価され、ノーベル文学賞を受賞しています。 ヘルマンヘッセの作品には、穏やかな人間の生き方を描いたものが多いです。 ですので、この少年の日の思い出という作品はちょっと異質な作品と言えます。 ヘッセは幼少の頃に昆虫採集にはまっていました。 中でも魅かれていたのが蝶々でした。 ヘッセは水彩画もよくしていたため、蝶などの絵もかいていました。 そんな幼少のころの思い出から、書かれた作品がこの少年の思い出なのでしょう。 ヘッセはどんな少年時代を過ごしていたのでしょうね? 少年の日の思い出 全文あらすじ. 少年の日の思い出のあらすじ 少年の日の思い出は中学校1年生の教科書に掲載されていたので、知ってる方も多いかと思います。 物語は私が最近蝶採集を客(僕)に自慢したところ、客にお願いされて、ワモンキシタバを見せるところから始まります。そこから僕の少年時代の回想が始まります。 僕は昔、蝶を捕まえて標本にすることを趣味にしていました。 あるとき、コムラサキという珍しい蝶を捕まえて、標本にすることができました。 コムラサキは日本にも生息する蝶で、茶色の地に紫色の構造色を持っていて、角度によって紫色に光って見える、綺麗な個体です。 あまり、見せびらかすようなことはしなかった主人公の僕ですが、そのときばかりは僕も誰かにこの事を自慢したくなりました。 そしてそこで、同級生のエーミールにこむらさきを見せるのでした。 少年の日の思い出のエーミールは悪いやつ? ここでかの有名なエーミールの登場です。 近所に住んでいたエーミールも標本作成を趣味にしていて、標本の展翅や修復の技術は素晴らしかったのです。 エーミールは 非の打ち所がない少年 で、なんでもそつなくこなしてしまう優等生でした。 僕は尊敬こそ抱いてましたが、妬ましく気味悪い印象も持っていました。 そんなエーミールなら、珍しいコムラサキをほめてくれるだろうと思っていました。 舞い上がってた僕は早速、コムラサキの標本をエーミールに見せに行きました。 エーミールは、コムラサキの希少価値こそは認めたものの、展翅の甘さや脚の欠損などを指摘してきました。 そして最後にせいぜい20ペニヒ程度、日本円にして1400円ぐらいの価値しかないと酷い評価をしてきました。 そんな言い方しなくても… 読んだ時にほんとムカつくやつだなって思いました(笑) だって普通、凄いねって褒めてあげませんか?
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確かめられたのは、次の三点だ。 1 漢字・平仮名表記は想像以上に多量に書き換えがある。【58カ所】 2 「載せる・のせる」の表記は両方使われて、統一されていない。 3 上記の16段落のように、解釈に関わる書き換えもある。 つまり、どの年度の教科書原文で授業しているか、 明らかにしなければ、教材研究も発問作成もできないということだ。 ちょっとびっくりした。勉強になった。 調べる動機づけを下さったzzrさんに感謝したい。 【画像をクリックすると大きくなります】 『少年の日の思い出』ヘルマン=ヘッセ/高橋健二 訳 本文1ページ 本文2ページ 本文3ページ 本文4ページ 本文5ページ 本文6ページ 本文7ページ 本文8ページ ーzzrさんへの「研究1」回答につづくー カテゴリー別目次 ・ 記事一覧 国語授業中学少年の日の思い出 研究1・論題17題 研究2・教科書全表記比較 研究3・論題17題の検討 研究4・教科書掲載理由検討 研究5・高橋健二の戦争礼賛 研究6・中学生の頭を悪くするサイト 研究7・プロローグは削除してよい 研究8・小説と物語の違い 研究9・ヘッセノーベル賞の為か 研究10・作者論と作品論 ●指名なし討論は有効か・野口芳宏氏の批判に ●国語授業中学・討論の初歩指導手順 ●国語授業『さつき』すさまじい高レベル's
→「僕」は、何とかして償いをしようと、自分のおもちゃや収集を全てエーミールへ譲ろうとしたりしたけれど、エーミールはそれを全て拒絶したね。 「僕」は本当は「盗むつもりで部屋に入った」わけでもなかったし、もちろんクジャクヤママユをわざと潰してしまったわけでもなかった。 でも、エーミールは聞く耳も持たず「僕」のことを 悪漢 あっかん で、ちょうを 酷 ひど い扱いするヤツだと決めつけてしまった。 「僕」は、「一度起きてしまったことはもう償えない」、「もうどうしょうもない」と絶望したんだ。そして「僕」の収集にはエーミールにとって「価値がない」と言われてしまったようなものだったんだ。 だから「僕」は、自分の手で自分のちょうを全て押しつぶしてしまうことで、 自分で自分を罰した んだ。そして、同時に 「もうちょう集めはしない」と心に決めた んだね。 「少年の日の思い出」テスト対策ポイント③ 登場する語句の意味を確認しよう! くまごろう テストでは、難しい言葉の意味を聞かれることもあるので、しっかりと確認しておこう!
なんか言った?」 サエが聞く。 同じ感動をキャーキャーはしゃぎながらテンションをぶち上げている男女からしたら何か言ったか聞き直すくらい聞こえなかった。 ツヨシは続けて小さな声で「真下を見ると透明なのに、顔を上げると青いんだな」。 男女も確かめるように同じことをして確認した。 「俺がたってる場所は自分がこんなハッキリ見えるのに、歩いたら希望と不安が広がるかのように真っ青で自分の色がわからないんだな。歩かなきゃ、その場に行かなきゃ自分がどうなってるかなんて分からない。それは自分が一番知らない色なんだろうな。明日の自分なんて誰にもわからない。そりゃそうだ。自分が一番分からないんだから」とツヨシは海より広い目で語った。 男女も同じ方向を見ながら話を聞いていた。 「この海が広く深い以上に私たちの友情も深いよ。私は本当にツヨシに出会えてよかったよ」 ルカがハイテンションでキラキラ海の輝きに負けない笑顔でツヨシに近寄った 「本当だな。俺たちって起きたらもう外は暗くてそっからの世界でばっかり遊んでたよな。太陽なんか嫌いだなんて威張ってたよな(笑)」 トシが恥ずかしそうに笑いながら自分の恥を語った。 「太陽なんかセンコーみたいに暑苦しいからいらねぇんだって確かツヨシよく言ってたよね」 サエが記憶を戻しながら話す。 「ははははは! たしかに俺そんなガキみてぇなバカらしいこと言ってたな。太陽ってこんなに優しかったんだな。俺今気づいたわ。おせぇつーの自分」 笑いながらも目の奥はすごく悲しそうな表情だったのを男女は分かっていた。 もっと生きてたい、まだ生きてたい、ずっとこの世界にいたい。 きっとツヨシはそう思っているに違いなかったことをほかの5人は分かっていた。 どうにもならない現実が憎くて、力をこんなときに貸してあげれない自分たちが惨めで仕方ない男女だった。 助けたい、一緒にいたい、ずっと笑っていたい。 それだけだった。 6人は時間をわすれ、太陽が黄色からオレンジへ、オレンジが幕に入り夜の顔になるまで幻の海を眺めていた。 それはそれは早巻きしたように、あっという間の時間で思い出話しをするには足りなさすぎた。 だけどこの日の男女6人は言葉なんかいらなかった。全員で手を繋ぎただ海を眺め、各々が思い出を胸に刻んでいた。 「今日はまじありがとな! 最高にチルだったぜ!! 『新装版 限りなく透明に近いブルー』(村上 龍):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部. お前らやっぱり最高にイカす仲間だぜ!
米軍基地を抱える街、東京・福生。ロックやジャズ・・・・・・様々な音楽が流れるハウス(元・米軍住宅)では若者たちが夜な夜なドラッグとセックスに溺れていた。めまぐるしく人が入れ替わり、特別な事件が起きるわけでもなく、乱脈な日常が続いていく。そんな若者たちの退廃的な姿が、主人公リュウの、一切感情を排したカメラのような目を通して描かれます。やんちゃしながらも、どこか明るさを残したカレンさん版の6人と異なり、刹那的で空虚な若者たちの描いた作品は、半世紀近く前の芥川賞選考会でも賛否がわかれました。 謎めいたタイトルは、ラストシーンで突然、現れます。 血を縁に残したガラスの破片は夜明けの空気に染まりながら透明に近い。 限りなく透明に近いブルーだ。僕は立ち上がり、自分のアパートに向かって歩きながら、このガラスみたいになりたいと思った。 死に臨み不思議な色を前にしたカレンさん版のツヨシ、退廃的な生活のなかで不思議な色を見た村上版のリュウ。共通するのは「希望」でしょうか。
カギリナクトウメイニチカイブルー 内容紹介 福生の米軍基地に近い原色の街。いわゆるハウスを舞台に、日常的にくり返される麻薬とセックスの宴。陶酔を求めてうごめく若者、黒人、女たちの、もろくて哀しいきずな。スキャンダラスにみえる青春の、奥にひそむ深い亀裂を醒めた感性と詩的イメージとでみごとに描く鮮烈な文学。群像新人賞、芥川賞受賞。 製品情報 製品名 限りなく透明に近いブルー 著者名 著: 村上 龍 発売日 1978年12月19日 価格 定価:387円(本体352円) ISBN 978-4-06-131531-0 判型 A6 ページ数 162ページ シリーズ 講談社文庫 お知らせ・ニュース お得な情報を受け取る
毎日ラッキー! あ! てゆうか、ツヨシは?」 アキラ「起きてから連絡してんのにずっと返ってこないんだよなぁ」 ルカ「昨日楽しすぎてまだ疲れて寝てるのかなぁ? 昨日相当歌って飲んでたからね」 アキラ「ありえるありえる(笑)」 サエ「あ、でも確か昨日帰るとき腹痛大変そうだったよね? 大丈夫かな」 さすが周りが見えてるサエだった。 するどい記憶が仲間意識を呼び覚ました。 トシ「たしかにちょっと不安だな。連絡取れないとなると」 アキラ「まぁ寝てるだけだろうけど、ちょっと心配っちゃ心配かぁ・・・・・・」 サエ「さすがにちょっと家見に行かない?」 ルカ「でもただの寝ぼけてたりして(笑)」 相変わらずにルカは上の空発言だったが、みんなで意見を一致させて、家に探しに行くことにした。 ツヨシの家の窓から見える光はなかった。 ルカ「やっぱり寝てるんじゃない? ?」 サエ「そうかなぁ? 見てみようよ。アキラとトシ見てきて!」としっかり者のサエがみるみる男たちの背中を押す。 アキラ・トシ「お、おう」 ふたりはツヨシが住んでる階まで階段をかけ足に進む。 ルカ、サエ、ミユが下でそわそわしながら待っている。 すると・・・・・・ トシ「おーい! おまえらっ。いますぐこいっ」 トシが汗を嵐のような場所を通ってきたかのような吹き出方をしながら、女子たちを焦らす気持ちを最大限にさせた。 女子たちは目をギョっとさせながら急ぎ足でツヨシの部屋まで行った。 サエ「ツヨシ! 大丈夫? !」 女子軍団が慌てて部屋に入ると、ハッとした。 ツヨシはトイレにもたれかかるように、眠るように倒れていた。 トシ「おい! ツヨシ大丈夫か? おい!」 アキラ「ツヨシ大丈夫か? 滝沢カレンの「限りなく透明に近いブルー」の一歩先へ|好書好日. 起きてくれよ」 男子たちがひたすら声をかけるが返事らしき声は聞こえてこない。 ルカ「と、とりあえずわたしは救急車呼ぶっ!」 サエ「ルカお願い! ミユなにか枕になるようなタオル持ってきて」 サエが器用なほどに女子たちをまとめる。 さすがのミユも緊急を知ったように急いでタオルを取りに行く。 ツヨシを床にゆっくり寝かせた。 サエ「こゆときってあんまり動かさない方がいいって確かこのことよね?」 アキラ「あ、あぁ。頭打ってたらまじやべぇからなぁ。動かす気持ちは一旦抑えようぜ」 ルカ「そうだね。とにかく救急車をまとっ」 それから5~10分後に、救急車が来た。 静かな福生の住宅街に、ややこしいほどの救急車の音が鳴り響く。 救急隊員「到着いたしました。一体どしました?」 サエ「あの友達なんですが、部屋で倒れてしまって、全然起きなくて・・・・・・」 救急隊員「落ち着いてください。とりあえず病院でみてもらいますから、みなさんも救急車に乗ってください」 仲良し軍団はみんなで救急車に乗り、病院へと向かった。 ミユの目からは大粒の涙が、不安さを増させていた。 あんだけやかましい声量の男女もここはグッとみんな息を呑み、ツヨシの回復だけを願った。 病院につき、精密検査室へと入った。 2時間くらい男女は待った。 すると、医者から、「コンドウツヨシさんの身内の方ですか?」と男女軍団に近寄ってきた。 「は、はい!
やっほ! どう? 今日はお天気最高だよ!! !」 元気いっぱいにルカが声をかける。 「おい、それ持てっつーの! 重いんだよ俺は」 アキラが袋いっぱいにツヨシの好きな漫画やお菓子を今にも転ぶほどよろめきながら病室に入ってくる。 「あんたは本当に手の範囲を知らない男ねー。こんなおんなじお菓子ばっか持ってきてどうすんのよ! バラエティ精神がないわねっ」 サエがぶちぶち言いながらアキラの持てない袋を持ちながら入ってくる。 「喧嘩しないでよ~。ツヨシくんに怒られるよ~」 ミユが2人の言い合いをなだめる。 「本当だよ。静かにしてくれよ」 トシも愛想つかせた笑みを浮かべ発言した。 「みんなサンキューな! こんなたくさん嬉しいわ! 限りなく透明なブルーと風の歌を聴け. !」 ツヨシは変わらない明るい笑顔で男女をほっとさせた。 17歳には過酷すぎる病気で辛いはずのツヨシだが、誰にもその辛さはみせなかった。 だから男女もそんなツヨシに負けないよういつも通りに振る舞った。 「ツヨシさ、お前どっか行きたいとこないの? 後悔する前に行っておこうぜー!」 アキラが笑いながらツヨシに声をかけた。 「そうだね!
全て表示 ネタバレ データの取得中にエラーが発生しました 感想・レビューがありません 新着 参加予定 検討中 さんが ネタバレ 本を登録 あらすじ・内容 詳細を見る コメント() 読 み 込 み 中 … / 読 み 込 み 中 … 最初 前 次 最後 読 み 込 み 中 … 新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫) の 評価 76 % 感想・レビュー 1070 件
なんかめっちゃ元気になったわ! このまま治っちまったりしてな!」 病室に戻るとツヨシが力こぶ見せながらとびきりの笑顔をみんなに見せた。 「えーまじ元気になった気がする! 幻のパワーかな? まじこのまま治っちゃうんじゃん? そしたらまじうれぴすぎ!」 ルカが本当に元気になったツヨシを目にピョンピョン跳ねながら嬉しがった。 「たしかに顔色いいぞ? 治ってたりしてな! 次行きたいとこもかんがえとけよー! たくさん行ってさ、気付いてたら病気じゃなくなってるって可能性あるからな!」 アキラも本気で元気になったツヨシを見て笑いながら話しかけた。 「今日は疲れただろうし、ゆっくり寝ろよ。また明日みんなで遊ぼーぜぇ」 「おう。そだな! 明日また遊ぼうぜ!」 ツヨシは笑いながらみんなとハイタッチして、男女5人は病室を後にした。 プルプルプル。 朝5時前。まだ外は夜の顔だった。 アキラの携帯電話が鳴った。 「ったく誰だよ、朝はぇーな。まだ寝とるわ」 携帯電話に目をやると、表示されていたのは、"ツヨシ 病院"。 初めての病院からの電話だった。 アキラはびくっとして、全身が熱くなるのがわかった。 勝手に震えだす手を抑え急いで電話に出た。 「もしもし?」 「あ! コンドウツヨシくんの身内のアキラさん?? 今すぐに病院きてください。ツヨシくん頑張って待ってますから」 返事の声をする前に身体が病院へと動いていた。 何を着てるんだか、どう玄関を出たか、なにをいま持ってるか、どんな顔でいまいるか、なにひとつ把握できてなんかいない。 ただ進むことだけを考えていた。 「ツヨシ、ツヨシ、ツヨシーーー! !」 だが、アキラは無意識に握りしめて出てきたものがあった。 それはツヨシが一番大切にしていたものだった。 病室についた。 先にサエがすでにいた。 あとの4人もいま向かっていた。 ツヨシは医者や看護師さんに囲まれて、呼吸が深呼吸になったり小刻みな呼吸になったりと不安定そうだった。 アキラは顔をぐちゃぐちゃにしながら、ツヨシの肩をゆさぶった。 「ツヨシ! おい! 起きろ! お前今日も俺たちと遊ぶんだろ? おい! 起きろよ!