もし、子どもがふたり以上できても、一番上の子だけじゃなくて、下の子の写真もたくさん撮るし、日記だって上の子と同じくらいエピソードを書いておくんだ! そう密かに決心していた。 私も大人になって、結婚して、子どもをひとり産んだ。 そして、母になった。 息子がお腹の中にいると知った時に、妊娠時と出産後の記録用に、ノートを買った。 このノートは、それぞれの状態に合わせて記録しやすいように、ガイドのついたものだった。 よーし、しっかりつけるぞ! いつ、子どもに、何を聞かれたって、何でも答えられるようにちゃんと書くぞ!
まあ、おそらく、一定数いるんだろうなとは思う。 本当にすごい人と、こういうのが本当に好きな人なんだろう。 心から尊敬する。 ③本音を言えないこと。 とりたてて、かっこいいエピソードなんてないんだということや、ネガティブな思いが強かったことを、正直に息子に言うと、傷つけるだろうけれど、嘘をつくのも気が進まず、もどかしい。 世の中の、親たちは、この「生まれた時や小さい時の話を聞かれること」について、どう思っているんだろう? と、気になって、インターネットで検索してみた。 すると、「写真をほとんど撮っていないから困っている」「ほとんどエピソードを覚えていないし、メモもない」という人もいたし、逆に、「細かいネガティブな日記を読まれてしまい落ち込ませてしまった」という人もいた。 なんだ! 一緒じゃん! 少し安心した。 じゃあ、どう対応したのか? と思って、さらに、検索してみると、つらかった話をカット、あるいはオブラートに包んで、嬉しかった話を盛ったという人がいた。 なるほど! そうか! そして、あ! と思った。 もしかすると、母が私にしてくれた「よく食べ、よく飲み、まるまると太って元気な子だった」という決まり文句は、母なりに、こしらえた、プレゼント用の言葉だったのかもしれない。 多分、つらいこともたくさんあって、言いたくないこともあったはずだ。それを、愛情で、隠してくれたのかもしれないと思ったら、不満を持ってしまって母に申し訳なかったと思った。 さて、どうしようか? 1年前に私が言ったことを、息子は、忘れてくれているだろうか? 生まれた時の様子 宿題. とりあえず、それは、脇に置いておいて、今回のことを考えよう。 息子に伝える前に、考えた。 そして、息子を呼んで、伝え始めた。 "おなかの中にいるころ" おなかの中のぼくがちゃんとそだつように、さいしょのころは、しずかにねていたそうです。だいじょうぶになってから歩いたり、おなかの中のぼくに毎日話しかけていたそうです。 "生まれた日" おなかがいたくなってから4時間で生まれたので楽だったそうです。元気な声を上げてうれしかったそうです。 その他、名前の由来、すきなものなどを伝えた。 あの、歩き始めるのが遅くて悩んだことは、こう伝えた。 ハイハイがじょうずだったそうです。とてもしんちょうで、歩きはじめるのがおそかったけれど、歩きはじめるとすぐにスタスタと歩きころぶことが少なかったそうです。 こんな感じのことを、小一時間、話しながら、一緒にまとめた。 もしかして、これは、内容云々じゃなくて、こうして、面と向かって、時間をかけて、一緒にこの課題に取り組むことが大事なのではないか?