with Elisabeth Yi Shen, HBR, January-February 2010. (未訳)である。同論文では、中国企業の企業文化について、集団主義であり、意思決定や行動は悠長であり、しかもリスク回避の傾向があるという欧米の通念に対して、むしろ利己的ともいえる個人主義的であり、行動は素早く、リスクを許容する傾向にあることを明らかにした。 その後、2014年に執筆した「カルチャー・マップ」の研究成果の実践的な応用編として、3つの論文をHBR誌に寄稿した。 第1は、企業文化の問題である。"When Culture Doesn't Translate, " HBR, October 2015. (未訳)では、企業が永年かけて築き上げた健全な企業文化は、従業員に活力を与え、市場での競争優位の源泉になることに対して、一方では各国の社会的規範やビジネスプロセスの習慣と相容れない部分も存在し、異文化コミュニケーションの障害となることを問題としている。本国の企業文化を各国に適用すべきか、各国に合わせて適応すべきか、が問題となるが、本稿では、グローバルの企業文化を創造するための5つの方法を提言している。 第2は、ことば以外の異文化コミュニケーションの問題である。"Getting to Si, Oui, Hai, and Da, " HBR, December 2015. エリン メイヤー 異 文化 理解放军. (邦訳『異文化交渉力:5つの原則』(DHBR2016年5月号)では、コミュニケーションのシグナルとなる感情表現の強弱や信頼性の構築など、異国企業間のビジネス交渉に成功するためのルールを提言した。 第3は、異文化マネジメントにおけるリーダーシップの問題である。"Being the Boss in Brussels, Boston, and Beijing, " HBR, July-August 2017.
組織の力 2021. 07.
(邦訳「カルチャー・マップ:世界を8つの指標で理解する」DHBR 2015年2月号)の原型とも言える。 メイヤーが描いた「カルチャー・マップ」の8つの指標とは、第1は、「コミュニケーション」である。ホールによれば、コミュニケーションには、より多くの言語によるものと非言語的な「沈黙のことば」によるものがあるとしている( Edoward T. Hall, "Silent Langage in Overseas Business, " HBR, May 1960.
―― リーダーシップ、階層、パワー 5 大文字の決断か小文字の決断か ―― 誰が、どうやって決断する? 6 頭か心か ―― 二種類の信頼とその構築法 7 ナイフではなく針を ―― 生産的に見解の相違を伝える 8 遅いってどれくらい?
―― リーダーシップ、階層、パワー 5 大文字の決断か小文字の決断か ―― 誰が、どうやって決断する? 6 頭か心か ―― 二種類の信頼とその構築法 7 ナイフではなく針を ―― 生産的に見解の相違を伝える 8 遅いってどれくらい? ―― スケジューリングと各文化の時間に対する認識
学生のころに『月刊アフタヌーン』で賞をいただいて、初めて担当になってくれた編集の方に「どんな漫画を描きたいの?」と聞かれたことがあったんです。私は「"人と人は、絶対にわかり合えない"という漫画を描きたいです」と答えたんですが、ずっとその気持ちが根底にある気がします。人間同士がわかり合えないという前提のもとで、不寛容にならずに共存するのが文明人のあり方なのでは、と。とみに今はそのことを強調すべき時代のムードが存在していて、たまたま自分の描いているものと合致したのかもしれません。 ――デビュー当時から一貫しているテーマに臨むうえで、ご自身の中で設定したルールのようなものはありますか? 『違国日記』のストーリーを考えていて悩むのは、「悪者をなるべく作らないように」ということですね。人間の善い部分を描きたいと思っているので、人によって異なる行動の規範を悪だと断じないように気をつけています。もちろん、まったく違う倫理観をどちらも否定しないようにすると、どん詰まりに向かっていくので大変ではあるんですけど(笑)。人物同士を衝突させながらも、どちらの味方にもならないようにするというか……。感覚的に決めている部分もたくさんあるので、言葉ではなかなか表現しにくいですね。 ――別のインタビューで、『違国日記』について"読者に優しい話"であることを意識しているとおっしゃっていました。「悪者を作らない」「人間の善良な部分を描く」というのは、作品全体に通じる"優しさ"とも関連しているのでしょうか?
キッチンガーデンと共に愉しく暮らす つばた英子/つばたしゅういち『きのう、きょう、あした。』(2020年3月27日公開) 夫を亡くし、生まれて初めての一人暮らし。そんな89歳女性の菜園生活を追った本。新型コロナで学校が休校となるなど、家にこもる生活が始まった頃の記事でした。息の詰まる日々だからこそ、日々の生活から見つめ直し、見過ごしていた楽しさを取り戻してみよう。そんなきっかけになったようです。 美味しそうな料理もいっぱい出てきます。ハブ茶、ゆべし、栗タルト、ブリの煮物、治部煮……。爽やかそうなライムティーも美味しそう。我が家の庭にもスダチ、カボス、レモン、柚子、甘夏と柑橘系が豊富。清涼感のあるライムもその仲間に加えてみよう。 季節を経て章立ての進むこの本からは、時のうつろいを大切に過ごす英子さんの思いが伝わってきます。全てではなくて良いので、本のなかから「これなら向いている」「ちょっとやってみようかな」と思うものを無理せず採り入れれば、生活が豊かになるかも知れません。そして、何よりも「愉しく暮らす」。こんな今だからこそ、思い起こしてほしいと思います。 【谷原店長のオススメ】キッチンガーデンと共に愉しく暮らす つばた英子/つばたしゅういち『きのう、きょう、あした。』 5. 闘病中の最愛の人に紡いだ短編と結婚生活を振り返ったエッセイを収録 眉村卓『妻に捧げた1778話』(2020年10月23日公開) 新型コロナウィルスは直接、そして間接的にも多くの人の命を奪っていきました。SF小説家の眉村卓さんが、余命宣告された妻との日々をつづった1冊を、谷原店長は涙なしには読めませんでした。 最後のページをめくる時は、涙が止まりませんでした。眉村さんがこの章にどれだけの思いを込められたのか。もう何だか……、言葉が出ないほど胸が苦しくなるのです。眉村さんのすべての思いがこのページに詰まっています。奥さまの病や、ご自身が置かれている現状、感情に、これまでずっと理性的に向き合ってこられた眉村さんの「心の軋み」が現れます。ここまで奥さまのために貫き通した眉村さんを、僕はただただ尊敬します。 家族との距離感について考える機会が増えた今こそ、身に染みる1冊だと思います。もちろん、珠玉のショート・ショート集として、純粋に楽しむこともできますよ。そして映画の中で奥様役を演じた竹内結子さんのご冥福を心よりお祈りいたします。 【谷原店長のオススメ】闘病中の最愛の人に紡いだ短編と結婚生活を振り返ったエッセイを収録 眉村卓『妻に捧げた1778話』