「虎落笛(もがりぶえ)」という冬の季語がある。冬の激しい風が柵などに当たって「ひゅうひゅう」と笛のような音をたてることを指す。テレビでおなじみの俳人・夏井いつきさんが著書「絶滅寸前季語辞典」に収録していて、最近では俳句をたしなむ人の間でも、あまり使われないようだ ▼「虎落笛こぼるるばかり星乾き」(鷹羽狩行)。字面はたけだけしいが、冷たい北風が生み出す寂しげな景色が浮かぶ。12月も半ばを過ぎ、沖縄でも肌寒い風が吹き始めた。木々を吹き渡る夜更けの風の音に、冬の到来を実感する ▼中国から伝わった「虎落」という文字は、本来粗い割り竹を組んだ垣根や塀のことだ。この字を和語「もがり」の文字として転用した ▼何かを遮るはたらきと関連した「もがる」という動詞もある。10世紀ごろの用例では「異議を申し立てる」「あらがう」の意味だった。ところが時代が下り近世には「ゆする」などの意味に転じていった ▼これと似ているのが、過重な米軍基地負担から生じる事件や事故のたび県民が上げてきた抗議の声が、心ない一部から「たかり」などと受け止められるようになったこと ▼まるで「もがる」の意味の変化をなぞっているようにも映る。人々の切実な訴えを曲解してとらえ、冷たい風が強くなるほど、沖縄で鳴る虎落笛はより大きな音色をたてる。(玉城淳)
以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。 A 「虎落」というのは、コラクと読むとれっきとした漢語で、『大漢和辞典』にも出てきます。意味は、割った竹を組んで作った垣根のこと。紀元1世紀ごろに書かれた『漢書(かんじょ)』という歴史書にすでに用例がありますから、なかなか由緒正しい漢語ですが、なぜ「虎が落ちる」と書いてこんな意味になるのかは、よくわかりません。「落」には「垣根」の意味があるようですので、見た目がトラ縞に見えるからとでもいうのでしょうか。 さて、この「虎落」が日本語として読まれるときには、「もがり」と読むのだそうです。「もがり」というのも、意味としては同じく竹を組んで作った垣根のことですから、漢字2文字に対して日本語1語をあてた、いわゆる熟字訓というやつです。 ここまでが前置きで、ようやく本題に入ります。ご質問の「虎落笛」ですが、これは「もがりぶえ」と読みます。竹の垣根と笛とがどう結びつくのかというと、冬の強い北風が、竹の垣根にあたってその隙間を吹き抜けて、笛のように音をたてる、そのことを「もがりぶえ」というのだそうです。転じて、冬の強い北風のことも表して、俳句の世界では冬の季語となっています。 古代中国でトラを表していた漢字が、現代日本では北風を意味することばに使われる。ことばにはおもしろい歴史があるものですね。
『虎落笛』の虎を落とす?どういう意味?
お礼日時: 2011/10/29 20:19
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