督促状や内容証明郵便を送っても、相手方が支払に応じようとしない。そのようなときに使える債権回収の法的手段のひとつが、支払督促です。 ところが、何度も請求や督促をしているうちに、相手が突然行方をくらまして音信不通になってしまうこともありえるでしょう。その場合でも、支払督促は使えるのでしょうか。 1.
紀尾井町東法律事務所は、債権者である業者から債権回収の委託を受けている債権回収に強い法律事務所の1つです。債権者として考えられるのは、保険金の未収金管理回収会社や医療未収金管理回収会社などです。紀尾井町東法律事務所は、このような企業から債権回収に関する業務を代理人として行っています。 おそらく、紀尾井町東法律事務所から『受任通知書』や催告書、警告書などが送られてくるまでに、何度か債権者から電話やハガキによる取り立てを受けてきたのではないでしょうか。本当は、法的手続きの警告が来る前に何度もあなたに対して支払いを促す注意喚起がなされていたはずです。 どうして紀尾井町東法律事務所から電話がくるのでしょうか?
支払督促とは 金銭の支払いを求めて強制執行するには、強制執行の裏付けとなる公的な文書である「債務名義」が必要になります。 債務名義を得るには、1)裁判して判決をとる、2)裁判して、和解の結果を調書にして貰う、3)調停を申し立て、話し合いの結果を調書にしてもらう、4)公証人役場で公正証書を作成する、5)支払督促を申し立て仮執行宣言付支払督促を取得する方法があります。 支払督促は、裁判所が書類を審査するだけで出してくれるため、ほかの手続に比べ、早くて、簡単です。 但し、相手から異議を出されると、訴訟手続きに移行してしまいます。そうなると「最初から裁判を起こした方が早く決着がついたのに」ということになってしまいます。 支払督促の申立 債務者の住所を管轄する簡易裁判所に申し立てます。 債務者が会社ならば登記簿上の本店所在地にする必要がありますが、同社のある支店が行った業務についての請求であれば、その支店を管轄する簡易裁判所に申し立てることができます。 裁判所の納める費用も、裁判した場合の半分ほどです。 手続きの流れ(2回の申立が必要です) 1. 支払督促 支払督促を裁判所に申し立てると、裁判所の書記官が書面をチェックして(当事者の出頭は不要)、問題がなければ「支払督促」という書面を、債務者に送達します。 裁判官は関与せず、書記官の権限で行われる手続です。 債権者には支払督促が発付された旨だけが通知されます。 債務者が支払督促を送達されてから2週間以内に異議を申し立てる必要があります。 2.
仮執行宣言付支払督促 2021/7/15 仮執行宣言付支払督促(かりしっこうせんげんつきしはらいとくそく) 債務者が支払督促の送達後2週間以内に督促異議の申立てをしないときは、その後30日以内に、債権者は、裁判所書記官に対して書面又は口頭で仮執行宣言の申立てをすることができ、裁判所書記官は、仮執行宣言の申立てが不適法なときは却下し、適法であるときは支払督促に仮執行宣言を付します(民法訴訟法391条1項・3項、392条)。なお、債権者がこの仮執行申立期間内に申立てなかった場合には、支払督促はその効力を失います(民事訴訟法392条)。 一覧はこちら
申立てに要する費用 以下の費用が申立時に必要になります。 手数料(収入印紙) 4, 000円 切手(合計 2, 506円) 第三債務者送達用 1, 145円 債務者送達用 1, 099円 債権者通知用 94円 陳述催告用 84円2組