24家月25. 12. 44) 被相続人の従兄弟の子が、被相続人の夫死後に身内の中では唯一の信頼を得て相談事にのっていた場合(大阪高決平成5. 15家月46. 7. 53) 被相続人の又従兄弟の配偶者が、被相続人の身元引受人になり、さらに任意後見人となる契約を締結しており、精神的よりどころとなっていた場合(鳥取家審平成20. 20家月61. 6. 112) 被相続人の義理の妹が、被相続人に仕送りなどを長年行い、被相続人の家屋の買受代金の大部分を支出し、家事手伝いの賃金も支援した場合(大阪家審昭和39. 9. 30家月20.
相続人がいたら特別縁故者は遺産をもらえない 特別縁故者が遺産を受け取れるのは、あくまで「相続人がいない場合」に限られます。子どもや兄弟姉妹などの相続人がいる場合、特別縁故者は財産をもらえません。 たとえ行方不明や音信不通、被相続人と不仲だったなどの事情があっても、相続人は相続人。権利者が現れたら内縁の配偶者などは遺産を受け取れないと考えましょう。 1-3. 相続人も特別縁故者もいない場合、遺産はどうなる? 被相続人に子どもなどの法定相続人も特別縁故者もいない場合、遺産はどうなるのでしょうか? 遺産が土地や建物などで他の人と共有していた「共有物件」の場合、相続人や特別縁故者がいなければ「他の共有者」のものとなります。そういった事情もなければ、財産は最終的に国のものになります。 2. 特別縁故者とは | 京都第一法律事務所/創立60年の確かな実績|京都弁護士会所属. 特別縁故者が遺産を受け取るまでの流れ 以下では特別縁故者として遺産を受け取るまでの流れや具体的な手続きの方法をみていきましょう。 2-1. 相続財産管理人選任の申立 まずは家庭裁判所で「相続財産管理人」の選任を申し立てなければなりません。 相続財産管理人は、遺産を管理して債権者への配当や特別縁故者への分与などの処分を行う人です。 【申し立て先の裁判所】 「被相続人の最終住所地」を管轄する家庭裁判所 【必要書類】 被相続人の出生時から死亡時までの戸籍謄本類 被相続人の住民票除票または戸籍附票 財産関係資料(預貯金通帳、不動産全部事項証明書、証券会社へ預けている有価証券に関する資料など) 被相続人との利害関係を示す資料(被相続人と同居していたことがわかる住民票、健康保険証、看護記録や親族関係を示す戸籍謄本類、被相続人が書き残したメモなど) 申立書 【費用】 800円分の収入印紙 4230円の官報公告費用 郵便にかかる費用 上記の他、数十万円程度の予納金が必要となるケースもあります。 2-2. 相続人調査、官報公告 相続財産管理人が選任されると、相続人調査が行われます。具体的には「官報公告」によって遺産相続が発生している事実を世の中全体に知らせ、相続人に申出を促します。 ここで相続人が発見されると、遺産は相続人が受け取ることになり特別縁故者への分与は行われません。 2-3. 債務の支払や受遺者への遺贈 被相続人に債権者がいる場合、相続財産管理人が遺産から債務の支払いを行います。 遺言によって遺贈が行われた場合にも相続財産管理人が対応します。 2-4.
相続トラブルで一番多い金額は5, 500万円以下 です。 これは相続トラブル全体の約75%にあたり、さらに1, 000万円以下だけに絞って見ても、全体の32%を占めています。 相続トラブルはお金持ちや、ましてテレビの出来事では決してないのです。 <参考資料:平成25年度司法統計> さらに、下の表を見ると遺産分割調停、すなわち遺産分割トラブルが右肩上がりで増えてきていることがわかります。 相続における自己解決と弁護士介入の違いとは?
法定相続人がいなくても親族の場合は「特別寄与料の請求権」がおススメ 亡くなられた方の親族の方 であれば、 特別縁故者として財産分与を求めるのではなく 、 2019 年 7 月からの制度 「特別寄与料の請求権」 のお手続きを選択せれる方が、手間も時間もかかりません。 特別寄与料を請求できる方は、相続人以外の親族で 6 親等内の血族、及び 3 親等内の姻族のことを指します。長男の嫁として誠心誠意、義理のご両親の介護をしていても相続の面で報われることが少なかったお嫁さんは、 1 親等の姻族の立場であるため、特別寄与料として請求ができるようになったということです。 もらえる金額は、相続人の話し合いで決められることになるのですが、制度上の目安があるので、該当される方は一度検討されてみてはいかがでしょうか。 ※特別寄与料の請求権について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内) 関連記事 7. まとめ 特別縁故者の申立てには時間も手間もかかります。家庭裁判所に「特別縁故者」として認めてもらうためには、最終審判が下るまでひたすら待たねばなりません。相続発生から実際に財産分与されるまで、約 2 年近い月日を要するであろうという覚悟をしなければなりません。 特別縁故者として認められる絶対的な基準は明確ではなく、個々の事例により裁判所が判断しています。財産分与の割合も裁判所の裁量で決まっています。申立てをしたのに残念ながら認められなかったというケースもあります。 特別縁故者になれるほどに親密な関係であるのなら、生前のうちに遺言書を書いてもらう、内縁の関係ではなく正式に籍をいれることなどを検討していただく方が確実な手段であることをご理解ください。 特別縁故者に関する手続きや、相続税のご心配などがある場合には、相続の経験が豊富な税理士に是非ご相談いただくことをおススメいたします。
特別縁故者として認められるまでの 6 つの流れ 特別縁故者として財産を譲り受けたいと主張する前に、まずは亡くなられた方の 「 財産の保全と整理 」、「 法定相続人不存在の確認 」 を正しくおこなわなければなりません。 亡くなられた方の債務などを清算し、法定相続人がだれもいないことが確定した上で、更に残る財産がある場合に限り、特別縁故者として財産分与の申立ての請求ができるのです。 亡くなられた方と特別の関係があっても、裁判所に申立てをしない限り、財産分与がおこなわれることは一切ありません。 図 6 :特別縁故者へ財産分与されるまでの流れ 4-1. 家庭裁判所に「相続財産管理人の選任の申立て」をする 特別縁故者の財産分与の請求をする前の事前準備として、亡くなられた方の財産状況を確認して、分与されるまで保全しながら、債務や債権などがあった場合は清算を済ませておく必要があります。これらのことは裁判所に選任された「相続財産管理人」の方が担当します。よって、まず初めのお手続きとしては 「家庭裁判所に対し、相続財産管理人選任の申立て」 をおこないます。 相続財産管理人選任の申立ては、 特別縁故者として財産分与の請求を求める方 や、遺言書などで財産を引き継ぐよう 指定されている受遺者の方 、または 債権者 の方などがおこなうことができる 手続 きです 。亡くなれた方の最後の住所地を管轄している家庭裁判所へおこないます。 図 7 :「相続財産管理人選任の申立書」の記載例 4-2. 特別縁故者が遺産を受け取るための要件と手続きを解説. 家庭裁判所に相続財産管理人を選任してもらう 相続財産管理人選任の申し立てを受け、 家庭裁判所は財産管理人として相応しい方を選びます。 亡くなられた方の利害関係人以外の方が候補者となり、専門的な知識も必要とされるため、 弁護士などの専門家が選ばれることが多い ようです 。相続財産管理人が決定すると家庭裁判所は官報に「相続財産管理人が選任されたことを知らせる公告( 2 ヶ月間)」をします。官報に掲載し、世の中に知らせることを「官報に公告する」といいます。 官報とは、政府が発行している新聞のような刊行物のことです。インターネットで閲覧することもできます。参考:官報ホームページ 4-3. 相続財産管理人は債権者や受遺者の清算をおこなう 相続財産管理人の選任の公告から 2 ヶ月以内に法定相続人らしき方が名乗り出てこなかった場合、家庭裁判所は 「相続財産の受遺者や債権者を確認するための公告」 をさらに2ヶ月間おこないます。 この官報への公告は、遺言書が実は存在していて財産を引き継ぐ受遺者の方がいないか、借金の返済を求める債権者の方がいないか、該当する方は申し出るように公に知らせる意味のものです。 この公告の間、相続財産管理人は財産の保全・管理、及び申し出があった場合には必要な清算をおこないます。手続きの途中で相続財産がなくなってしまった場合は、その時点で手続きは終了となります。 4-4.