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Mon, 20 May 2024 15:26:03 +0000

「蓮、私ね」 5年分の気持ちを言葉にしようとした、その時。 「蛍、君が好きです」 「え?」 「ずっと好きだった。はじめて会ったときから、ずっと好きだった」 蓮が……私のことを好き? 嬉しくて、嬉しくて、涙がこぼれた。 「私も好きだった。ずっと、蓮が好きだった」 やっと言えた、本当の気持ち。 「うん」 知ってるよ、とでも言いたげに笑うと、蓮は私にキスをした。 ……最初で最後のキスを。 「蛍、会いに来てくれてありがとう。ほんとに、うれしかった」 そう言い残すと、蓮は駆け出して行ってしまった。 ……え、なんで!? 「やだよ! こんな別れ、イヤだよ!」 遠ざかっていく後ろ姿に叫ぶ。 ……もう終わりなの? まだ、さよならも言えてないのに……! いぬじゅんさん書き下ろし!特別連載『いつか、眠りにつく日3』 | 小説サイト ノベマ!. すぐに追いかけようとしたけれど、クロに腕をつかまれてしまった。 「蛍、落ち着け」 いつの間にか、私の体から光が消えていた。 追いついたとしても、私の姿はもう蓮には見えない。 「そんな……蓮にもっと言いたいこと、あったのに」 もっと蓮といたかった。 もっと生きていたかった。 どうしてもっと早く素直になれなかったの……?

いぬじゅんさん書き下ろし!特別連載『いつか、眠りにつく日3』 | 小説サイト ノベマ!

いぬじゅん「いつか、眠りにつく日」を読みました! 「えっ! そうだったの! ?」という驚きの展開が待っている結末は涙なしには見られません。 今回はドラマ化もされた小説「いつか、眠りにつく日」のあらすじネタバレをお届けします!

原作『いつか、眠りにつく日』ネタバレ解説!未練を描くドラマ化小説が泣ける | ホンシェルジュ

「さよなら、蛍」 栞……! 「またな、蛍」 ……蓮っ。 去るのは、私の方。 それが、私の望んだ答えだったから。 「私、生きるから! がんばって生きるから!」 声の限り、精一杯叫んだ。 「またね!」 目覚めると、病院のベッドの上だった。 「……帰ってきちゃったんだ」 つぶやくと、そばにいた母が驚いた顔でこちらを見た。 「蛍、目が覚めたの! ?」 「うん……ねえ、お母さん。事故で、私のクラスの友達が亡くなった? 山本栞と大高蓮。亡くなったのは、そのふたり?」 「……どうして、あなた、そんなこと……」 「おばあちゃんも同じ頃に亡くなった?」 「……」 沈黙は答えだ。 全部、覚えてる。 ……夢じゃなかったんだ。 気まずそうな母に「ジュースが飲みたい」と頼むと、どこかホッとしたように「たくさん買ってくるからね」と言って病室から出ていった。 「……クロ、聞こえる? 記憶、消さないでくれたんだね。ありがとう……」 もちろん返事はない。 けれど、きっとどこかで聞いてくれてるよね。 「おばあちゃん、栞、蓮……私、生きるから。みんなの分も、しっかりと生きるから」 生きていれば、きっと生きてさえいれば、未来が私を待っているはず。 そして、いつか再び永遠の眠りにつく日が来たら、みんなにこの世で経験したいろんな出来事を報告しよう。 「待っててね、その日まで」 私の頬を、温かな涙が伝った。 <いつか、眠りにつく日・完> ※感想書きました。まさか「あとがき」に感動させられるとは…… 小説「いつか、眠りにつく日」ネタバレ感想!泣ける感動作! 原作『いつか、眠りにつく日』ネタバレ解説!未練を描くドラマ化小説が泣ける | ホンシェルジュ. いぬじゅん「いつか、眠りにつく日」を読みました。 帯に書いてあった『予想外のラストに…涙、ぽろぽろ。』という売り文句に惹かれて読ん... まとめ 今回は小説「いつか、眠りにつく日」のあらすじ・ネタバレをお届けしました! ラストはいかがでしたでしょうか? 「ラストで生き返る」が想定の範囲内だったとしても、「実は蛍ではなく、蛍のことを大事に思っている人々の未練を解消する旅だった」という展開までは読めなかったのではないでしょうか。 とはいえ、「いつか、眠りにつく日」の魅力は、結末で明かされるトリックだけではありません。 未練解消の旅を通じて、蛍は精神的に大きく成長しました。 それは「命を失うとわかっていたら、もっとこうしたかったのに」という後悔を体験したからです。 その記憶を引き継いで生き返った蛍は、きっと今までとは違う『悔いのない人生』を送っていくのでしょう。 そんな蛍の姿を見ていると、ふと、「自分は後悔のない生き方をしているだろうか?」という気持ちが芽生えてきます。 詳しくは感想記事の方でまとめていますが、「いつか、眠りにつく日」は《生き方》について大事なことを思い出させてくれる一冊だと思いました。 リンク ドラマ『いつか、眠りにつく日』の配信は?

」 「……え?」 クロの言葉に、得体のしれないイヤな感覚が湧きあがってくる。 そうだ……思い返してみると、この未練解消の旅はどこかおかしかった。 あれでは、まるで…… 「蛍、すまない……後ろを見てくれ」 混乱しながら振り返る。 すると、そこには信じられない光景が広がっていた。 おばあちゃん、栞、そして蓮。 この旅で言葉を交わした大切な人たちが立っている。 「……どういうこと?」 「お前が未練解消した人たちだ。 本当は、お前が彼らの未練を解消していたんだ 」 え……でも……だって……! 「栞と蓮は、お前と同じ日に交通事故で命を落とした。そして、タキは病気で亡くなった」 「ウソ! そんなのウソ!」 それじゃあ、何のために……彼らにもう一度言いたいことがあるから、今度こそちゃんと伝えようって思ったから、生きたいって決めたのに! 取り乱す私をなだめるように、クロは静かに事の経緯を語って聞かせてくれた。 「本来、俺は三人の担当なんだ。そして本当は、未練はひとりにひとつだけ。3人の場合、お前との未練解消を望んでいた」 私との……? 「でも、お前は病院で意識不明。半分死んでいる状態で眠り続けていた」 「……」 「しかし三十日たった日、お前は突然霊となって目を覚ました。そうなると、俺たちも動かざるを得ない。しかし、タキは自宅に、蓮は学校から動けないくらい弱い力しか残っていなかった。半分、地縛霊のようになっていたんだ。だから、まだ力のあるお前にまとめて動いてもらうのがいいと考えた」 「……でも、同じ霊同士なら事情を話してくれてもよかったでしょう?」 「蛍、でもな。もし事情を話していたら、さっきみたいに『生きる』を選択できたか?」 ハッとして3人を見る。 もし、私だけ生きられることを知ったとしたら……? 「そう、それが心配だったのよ。蛍ちゃんは優しいから、私たちと一緒に行くって言うんじゃないかって」 祖母の言葉に、栞が同意する。 「そうそう。蛍の性格だと、後先考えずに、合わせてくれる気がしたの。だから、案内人にお願いして、『生きる』を選択するまでは。蛍が未練解消してるかのように演じてもらったの」 私を生きてこの世に戻すために、みんなが……? 「さっきは光が消えちゃって、あわてていなくなってごめんな」 目線を蓮に向ける。 たとえ生き返ったとしても、もう蓮に会うことはできない。 今度こそちゃんと告白しようと思っていたのに、もう二度と、思いを伝えることはできない。 「蓮、イヤだよ。離れたくないよ……」 「蛍、泣くなよ。俺はスッキリしてる。想いを伝えられたから」 「蓮、お願い。私も連れていって」 蓮は笑いながらため息をつくと、腕を伸ばして私を抱きしめた。 「ダ~メ」 「なによ……ケチ」 「ケチだからダメ」 止まらない涙にむせびながら蓮の胸に顔をうずめると、抱きしめられる力が強くなった。 「蛍、生きろ。俺たちの分まで生きるんだ」 「ヤダ!