『えっっ? ?胃腸がお疲れ?弱いの?』 くらいに思いませんか? そうなんです、こんな言い方したら怒られちゃいそうですが、 気楽な感じ なんですよね。 炎症があるわけではないので、治療というより、 今の状態を保つ為の薬 ・・・という印象でしょうか。 そう考えたら、 『薬、もう飲みたくなかったのに・・・』 という気持ちも、少し楽になると思います。 勿論、 状況や、医師によっての考え・処方の仕方も違います ので、種類が違ったり、 場合によったら、薬の服用はナシ! になることもあると思います。 どうしていくのかは、きちんと主治医にご相談くださいね。 薬、どんな感じで飲んでるの?
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潰瘍性大腸炎の治療薬 5-ASA製剤
皆様こんにちは、小金井つるかめクリニック消化器内科の川上智寛です。
前回は潰瘍性大腸炎(UC)の概要についてご説明しました。今回は治療(5-アミノサリチル酸製剤(5-ASA製剤))について解説します。
5-ASA 製剤とは
5-ASA製剤は潰瘍性大腸炎にとって「基本の薬」になります。
前回説明したように全体の約90%の方が軽症 or 中等症にあてはまります。軽症~中等症の活動期の症状(下痢や血便、腹痛など)を抑え、再燃を予防する寛解維持療法として広く使われるものがこの5-ASA製剤です。
次回以降に説明しますが、ステロイドや免疫調整薬、生物学的製剤と比べて免疫への影響が少なく、そういった意味では安全に使用が可能な薬剤となります。しかし、5-ASA製剤への過敏症状があり、5-ASA自体が腹痛、発熱、関節痛、血便などの原因となることもあるので飲み始めのときは注意が必要です。
1. サラゾスルファピリジン(SASP)
サラゾスルファピリジンは当初、関節リウマチの治療薬としてスウェーデンで開発されました。
抗炎症作用をもつ5-ASAと抗菌作用をもつスルファピリジン(SP)をアゾ結合させた製剤であり、大腸内の腸内細菌によりSPと5-ASAに分解されます。小腸で一部が吸収され、大腸へ約90%が到達するような製剤です。
有効成分である5-ASAを大腸まで運ぶためにSPがくっついていることが潰瘍性大腸炎には理想的な薬物放出機構であるものの、遊離したSPにより薬物アレルギーや頭痛、嘔気などの副作用の原因となっていることがわかり、有効成分のみの5-ASA製剤の開発がすすめられた経緯があります。