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抗癌剤・分子標的薬 膵臓がん 投稿日: 2020年8月25日 日本セルヴィエは、2020年6月1日に「がん化学療法後に増悪した治療切除不能の膵癌」に対して、抗悪性腫瘍剤抗イリノテカン塩酸塩水和物 リポソーム製剤(商品名 オニバイド点滴静注43mg)を発売しました。 膵臓がんに対する新しい抗がん剤として久しぶりに登場したこの「 オニバイド 」に期待が集まっています。 切除不能(転移性)膵臓がんに対する1次治療としては、FOLFIRINOX(フォルフィリノックス)やゲムシタビン+ナブパクリタキセル併用療法などが選択されます。 一方で、1次治療増悪例における2次治療に関しては、まだ効果がしっかりと確認された推奨レジメン(薬剤)はありません。 今回のオニバイドに5-FU/ロイコボリンを併用した治療は、ゲムシタビンをベースとした1次治療によって増悪した切除不能膵臓がんに対する2次治療として期待されています。ガイドライン(膵癌診療ガイドライン2019年版改定)上も、2次治療としての選択肢のひとつに追加されています。 今回は、このオニバイドについて、臨床試験の結果についての報告をまとめて紹介します。 オニバイドとは? オニバイド(ONYVIDE)は、既存の抗がん剤であるイリノテカン(商品名 カンプト、トポテシン)をポリエチレングリコール(PEG)で修飾したリポソームに封入した製剤です 。 イリノテカンは、すでに様々ながんに対して使われている抗がん剤で、トポイソメラーゼ阻害作用によって細胞のDNA合成を阻害することにより増殖抑制作用を示す薬剤です。 このイリノテカンをリポソーム化することによって、より薬剤が腫瘍へ届きやすい仕組み(ドラッグデリバリーシステム:DDS)となっています。 次に、膵臓がん患者を対象とした、オニバイドの有効性と安全性を調査した臨床試験を紹介します。 オニバイドの第三相臨床試験(NAPOLI-1試験) ゲムシタビンをベースとする化学療法後に増悪した、遠隔転移を有する膵臓がん患者を対象とした海外第3相試験( NAPOLI-1試験 )が実施され、オニバイドの有効性と安全性が確認されました。 Nanoliposomal irinotecan with fluorouracil and folinic acid in metastatic pancreatic cancer after previous gemcitabine-based therapy (NAPOLI-1): a global, randomised, open-label, phase 3 trial.
すべてのがんに対して用いることは、できます。 ただし、遺伝子検査において、高頻度マイクロサテライト不安定性を確認できることが、条件になります。 高頻度マイクロサテライト不安定性を有するということは、 遺伝子の修復機能の低下を示すことになります。 つまり、誤った遺伝子の配列を修復できなくなり、がんの芽を排除することができないことになります。 高頻度マイクロサテライト不安定性の頻度は? 米国のデータでは胃がんや子宮内膜がんでは患者の2割程度とされています。 その次に、小腸がん、大腸がん、子宮頸がん、神経内分泌腫瘍、肝臓がんが、頻度の高いものとして、続きます。 全体では4%程度というデータです。 どのような検査を受けると、マイクロサテライト不安定はわかる? はじめに主治医からこの検査を通して、遺伝性のがんであることが判明する可能性があるという説明を受けます。 そのことを納得していただいた上で、検査を受けます。 検査に必要なもの 正常組織:採血 腫瘍組織:がんから、採取した組織 検査料金は21000円かかります。3割負担の場合は、6300円の自己負担です。 キートルーダの効果とは? 高頻度マイクロサテライト不安定性のある大腸がんにキートルーダを投与した場合の治療成績は以下の通りです。 奏功率(がんが小さくなる確率):27. 「腹膜に散らばったがんが消えたんです」余命2か月の女性を救った『RIKNKT』って? | 週刊女性PRIME. 9% 病勢コントロール率(がんが大きくなるのを防げる確率):50. 8% 高頻度マイクロサテライト不安定性のある大腸がん以外のがんに、キートルーダを投与した場合の治療成績は、以下の通りです。 奏功率(がんが小さくなる確率):34. 9% 病勢コントロール率(がんが大きくなるのを防げる確率):59. 0% ちなみに、以下のような方にも、キートルーダの効果が、でやすいとされています。 がん細胞に発現している PD-L1の割合が高い方 がん細胞に、リンパ球が集まっている所見がある場合 (TiLs) 腸内細菌の状態が良い方 そして、 キートルーダには、いろんな副作用はありますが、通常の抗がん剤に比べると、負担の少ない治療になります。 ちなみに、大腸がんの場合は、キートルーダという免疫チェックポイント阻害薬のかわりに、オプジーボとヤーボイという2種類の免疫チェックポイント阻害薬を併用した治療も受けられます。 キートルーダを用いることができないという結果になったときの対処法は?
5%、スコア1が53. 5%。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。 主要評価項目である全生存期間(OS)中央値は、Cemiplimab単剤群の12. 0ヶ月に対して主治医選択の化学療法群で8. 5ヶ月と、主治医選択の化学療法群に比べてCemiplimab単剤群で死亡(OS)のリスクを31%減少( HR :0. 69、95% 信頼区間 :0. 56-0. 84、P<0. 001)した。 扁平上皮がんの患者における全生存期間(OS)中央値は、Cemiplimab単剤群の11. 再発/転移性子宮頸がんに対する抗PD-1抗体薬Cemiplimab単剤療法、全生存期間を改善 | がん情報サイト「オンコロ」. 1ヶ月に対して主治医選択の化学療法群で8. 8ヶ月と、主治医選択の化学療法群に比べてCemiplimab単剤群で死亡(OS)のリスクを27%減少(HR:0. 73、95%信頼区間:0. 58-0. 91、P=0. 003)した。 腺がんまたは腺扁平上皮がんにおける全生存期間(OS)中央値は、Cemiplimab単剤群の13. 3ヶ月に対して主治医選択の化学療法群で7. 0ヶ月と、主治医選択の化学療法群に比べてCemiplimab単剤群で死亡(OS)のリスクを44%減少(HR:0. 56、95%信頼区間:0. 36-0. 85、P<0.
Lancet. 2016 Feb 6;387(10018):545-557. doi: 10. 1016/S0140-6736(15)00986-1. Epub 2015 Nov 29. 対象と方法 NAPOLI-1試験は、14の国(76施設)にわたって行われた国際的な無作為化オープンラベル第三相臨床試験です。 対象は、過去に ゲムシタビンを含む治療を受けた後に増悪した転移性膵臓がん患者 417人です。 これらの患者を、 オニバイド+5-FU/ロイコボリン併用(117人) 、 オニバイド単独(151人) 、または 5-FU/ロイコボリン(149人) の3つのグループにランダムに割り付けました。 結果 ■ 生存期間の中央値は、オニバイド+5-FU/ロイコボリン併用群が 6. 1ヶ月 (95% CI 4. 8–8. 9ヶ月)であり、5-FU/ロイコボリン群の 4. 2ヶ月 (95% CI 3. 3–5. 3)に比較して有意に死亡リスクを低下させるという結果でした( ハザード比 0. 67 、p = 0·012)。 ■ 一方で、オニバイド単独群(生存期間4. 9ヶ月)と5-FU/ロイコボリン群(4. 2ヶ月)との間に差はみられませんでした。 ■ オニバイド+5-FU/ロイコボリン併用群にみられた全ての程度の副作用は、下痢(59%)、嘔吐(52%)、悪心(51%)、食欲低下(44%)、倦怠感(40%)など、消化器症状が多くなっていました。 このうち、重症(グレード3以上)の副作用は、 好中球減少(27%)、下痢(13%)、嘔吐(11%)、倦怠感(14%) などでした。 その後に報告された最終的な生存率解析(Eur J Cancer. 2019)においても、生存期間の中央値がオニバイド+5-FU/ロイコボリン併用群が 6. 2ヶ月 であり、5-FU/ロイコボリン群の 4. 2ヶ月 に比較しておよそ25%死亡リスクを低下させるという結果でした( ハザード比 0. 75 )。 また、 1年生存率(推定) に関しては、5-FU/ロイコボリン群が 16% であったのに対して、 オニバイド+5-FU/ロイコボリン併用群は26%でした 。 以上の結果より、 オニバイドを5-FU/ロイコボリンに併用することにより、生存期間をおよそ2ヶ月間延長する効果が認められました 。 アジア人におけるオニバイドの効果 抗がん剤の効果は、人種によって異なることがあります。 今回のNAPOLI-1試験のサブグループ解析として、アジア人(台湾および韓国)の患者についての治療成績が報告されています。 Liposomal irinotecan in metastatic pancreatic adenocarcinoma in Asian patients: Subgroup analysis of the NAPOLI-1 study.
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