呪いが祝福へと変わるときその絶望は反転する―― 著者:kiki イラスト:キンタ 能力値ゼロという身でありながら勇者パーティに選ばれてしまったフラム。 唯一持っているのは"反転"というよく分からない能力。 案の定、戦闘ではまったく役に立たなかったが、それでもめげず、 健気にパーティのためにと働く彼女を、天才として名高い賢者のジーンは疎ましく思い、 ことあるごとにいびり続け、ついには強引に奴隷商に売り払ってしまう。 その奴隷商会でも虐げられるフラムは、 あげく余興として凶悪なモンスターの餌食になろうとしていた。 だが、手にしたが最後、身体を溶かしてしまう『呪いの大剣』を手にした瞬間、 彼女の人生は急激に反転する。 日常は"怪異の目" により反転する―― 冒険者ギルドを牛耳るデインたちとの諍いは、日に日に過激さを増していた。 そんな中、目を包帯で覆った少女――インクと出会う。 彼女がデイン一派のゴロツキに襲われていたところをフラムが救ったのだ。 その包帯の下の"縫われた両目"に不穏なものを感じつつも、 天真爛漫な彼女に心を開いていくフラムとミルキット、そしてエターナ。 だがその裏で、崩壊の序曲が今まさに始まろうとしていた――。 それは一見、死の悲しみから解き放たれた楽園だった―― 「覚悟、できてる?
【収録ページ数50ページ】 生まれ持った属性ですべてが決まる世界。 唯一持っている属性"反転"の副作用ですべての能力値が0の少女フラムは神のお告げによりなぜか魔王討伐の英雄パーティーの一人として選ばれてしまう。 皆の足を引っ張る中、ついに仲間の一人から疎まれついには奴隷として売られてしまう―― その絶望は、呪いによって反転する―― GCノベルズ話題のダークファンタジーコミカライズ! ※価格は販売サイトによって多少差異が出る場合があります。 ※コミックライド19年1月号(vol. 31)に収録済みの内容です
生まれ持った属性ですべてが決まる世界。 唯一持っている属性"反転"の副作用ですべての能力値が0の少女フラムは神のお告げによりなぜか魔王討伐の英雄パーティーの一人として選ばれてしまう。 皆の足を引っ張る中、ついに仲間の一人から疎まれついには奴隷として売られてしまう―― GCノベルズ話題のダークファンタジー早くもコミカライズ! 物語の続きが読める原作小説好評発売中! 続きを読む 38, 519 第5話前編〜第8話後編は掲載期間が終了しました 掲載雑誌 コミックライドピクシブ あわせて読みたい作品 第5話前編〜第8話後編は掲載期間が終了しました
小説家になろうの人気ダークファンタジーの書籍版第1巻。 主人公の少女が神託により魔王討伐のメンバーに選ばれたものの、ただの村娘で何の役にも立てず遂には仲間の一人に奴隷商人へと売られた事から物語は始まります。 小説家になろうで公開中の作品ですので詳しい内容や粗筋は省き、ここでは箇条書きでWeb版と書籍版の違いを。 ・情景や心理描写の追加 より読者側にシーンやキャラの心情などの想像がし易いようにかなり加筆修正がされています。 ・悪党の最期 Web版では比較的あっさり死亡していた三下の悪役は結構惨い最期を迎えるように変更されカタルシスが増しています。 ・百合の増量 主人公のフラムが戦う理由でもある少女ミルキットの存在。 この先に挙げた点と重なりますが、2人の互いを思いやる心情描写や会話が増え物語におけるミルキットの比重が大きくなっています。 総じてWeb版より大幅にブラッシュアップされ作品の質がより良くなっている印象です。 また作品のもう一つの特徴でもあるグロやホラーは書籍化でも変わっていないので、百合以外のダークファンタジー部分が好きな方も安心してこの書籍版を楽しめると思います。
優秀な兄姉の影で『はずれ姫』と称される第四王女のリデルは幸せの中にいた。 それもそのはず。ずっと抱き続けた恋を実らせアッシェン領を治めるオスカーと結婚することになったのだから。だが、幸福な時間は長く続かなかった。 リデルはオスカーの妻としてふさわしくあろうと努めるも、そのすべては空回りし、次第にすれ違う二人の心。 しかもリデルは、とある事件に巻き込まれ心に深い傷を負ったままその命を落としてしまう。 時は流れ、リデルはフォーリンゲン子爵のひとり娘であるジュリエットへと転生。 そして十六歳の誕生日を迎えた後、前世であるリデルとしての記憶を全て思い出すのだった。 いまだ心の傷が癒えていないジュリエット(リデル)は、今世では平穏に生きることを望むもしかし、ある夜会へ参加したことをきっかけにオスカーと再会し……? 『氷の騎士』と呼ばれた伯爵と、彼に愛されることなく命を落とし、転生を果たした『はずれ姫』。これは、そんな不器用な二人が紡ぐ、恋の物語。
淡い金の光に包まれたその姿は現実味がなく、薄い水の膜を通して見る幻のようだった。 思わず手の甲で両目を擦ったが、ジュリアは消えることなく、数歩離れた場所に佇みジュリエットを見つめている。 (女神さまとお話がしたいのよね。こっちに来て) 不思議な感覚だ。ジュリアの姿は目の前にあるのに、声は頭の中で響いているかのよう。 単なる白昼夢として無視することもできたはずなのに、雲の上を跳ねるようなジュリアの軽やかな足取りにつられるように、いつの間にかジュリエットも走り始めていた。 「待って、ジュリア……!」 幻なのか夢なのか、あるいはジュリエットの妄想なのか。もうそんなことは関係なく、彼女には聞きたいことがたくさんあった。けれど礼拝堂の入り口に辿りついた瞬間、ジュリアの姿は霧のようにすっと空気に溶けて消えてしまう。 「ジュリア……? ジュリア?」 何度も呼んでみたが、とうとう返事はなかった。 代わりに聞こえてきたのは、礼拝堂の中から響く重厚なオルガンの音。そして、物悲しくも美しい歌声だった。 いつもご覧頂き、ありがとうございます。 5/25、コミック版『はずれ姫』二巻、電子・紙書籍ともに発売となりました。 由姫ゆきこ先生による美麗描き下ろしイラストや、豪華二本立ての番外編が収められております。 大変な状況下ですが、お楽しみいただければ幸いです。
せっかくなので、先に近代の歴史を学んでみませんか? 例えば、エミリアさまのひいおじいさまに当たる先々代の王さまの時代からとか。自分の身近な人のお話だと思うと親しみが湧いて、少し興味が持てるかもしれません」 「最初から覚えなくていいの?」 「もちろん最終的には覚えていただかなければいけませんが、まずは興味を持つところから始めたほうが、勉強にも身が入ると思いますよ」 これはジュリエットがかつて自身の家庭教師から教わった受け売りだが、今思い返してもなかなか的を射た教育方針だと思う。 特にエミリアは王家の血を引いているし、歴史を学ぶという意識でいるより、自分に近しい先祖の話を聞くくらいの気軽さでいたほうが、抵抗感も少ないだろう。 上手くいくかどうかはわからないが、やってみるしかない。 「少しずつ、焦らずに覚えていきましょうね」 「……はい!」 頷いたエミリアの顔は、先ほどまでと比べて少しだけ明るくなったように思えた。 § 結果的にエミリアは歴史に多少興味を抱いてくれたようで、目的は果たせたものの、本来の授業内容からは少々脱線した。 先々代の国王の話から先代の国王、そして当代と辿っていく内にエミリアの目が輝き始め、自然と彼女の母――つまりリデルの話題に移り変わっていってしまったのだ。 最新の建国史には恐らくリデルの項目もあるだろうし、歴史の人物であることに変わりはないから別にいい。 しかし。 「それでね!