公演情報 2016. 10.
ロミオとジュリエット 演出家・藤田貴大さんのコメント なにもかもがまだ幼かったころ 神様、がいたんだとして その神様が何者なのかも まだわからなかったころ あるひとつにだけ、まっすぐで いたいたしいほど、まっすぐで あのころのことを思い出すように 誰もが知っている物語を うごかして、かんがえて 冬をすごしたい 一瞬のなかにだけ存在する 永遠 という時間を見つめながら 藤田貴大
「窓より外には移動式遊園地」 池田慎二(ヘアメイク)×藤田貴大 聞き手:橋本倫史 撮影:井上佐由紀 ――池田さんが最初にマームとジプシーの作品に関わられたのは、『ロミオとジュリエット』(2016年)のときですか? 現代演劇を更新する天才・藤田貴大、次の一手は名作の逆再生 - インタビュー : CINRA.NET. 池田 そうなんです。あるとき、大森伃佑子さん(スタイリスト/DOUBLE MAISONディレクター。『ロミオとジュリエット』の衣装を手がけた)から突然電話がかかってきて、「ちょっと話があるんだけど」って呼ばれたのがきっかけだったんです。それで初めて藤田さんと会ったんですけど、行ってみたら人がワーッといて。 藤田 最初に来てくれたのは、稽古場の水天宮ピットでしたよね。あの作品はキャストも多くて、いきなりハードな現場で出会ったっていう(笑) 池田 人で溢れてる様子を見た時に、「きちんと頭を切り替えないと、これは大変なことになるぞ」と思ったんです。それが第一印象でしたね。 藤田 あのときはものすごく作り込んだスタイリングだったから、全員のスタイリングを終えるのに、何時間もかかってましたよね? 池田 こっちのチームは、毎日集まって、夜までずっと考えてましたね。まあでも、大まかな方向性だけは藤田さんが言ってくれるので、それを僕たちが揉んで揉んで、形にしていくんです。 ――ヘアメイクをどんなふうに形にしていくか、最初のやりとりってどんな言葉から始まるんですか? 藤田 いや、すごい抽象的な話ですよね? 池田 そう、最初はほんとに抽象的ですね。 藤田 「日常ってレベルがあるとして、そこよりもうちょっとフィクション度が高いほうがいいんだけど、そこまで逸脱しないほうがいい」みたいに、微妙なニュアンスの話しか最初はしてない気がする。 池田 でも、そこが一番大切なところで。そこがなかなか決まらないで、時間が過ぎてしまうこともありますけど、安心できる存在がいると、現場がうまくいく。藤田さんはそういう存在なんだと思います。 藤田 僕としても、池田さんと出会ったことで、「ヘアメイクでこんなに変わるんだ?」っていうことの意味がようやくわかったところがあって。池田さんと出会ったのも大森さんを介してではあるんだけど、それまでの僕の現場だと、ヘアメイクは「衣装さんやスタイリストさんが連れてきた人」みたいなかんじだったんです。でも、池田さんと出会ったことで、また違う意味がついた感じがする。僕と大森さんだけでやっていたら、たぶん届かなかったところに、池田さんが最後に手を伸ばしてくれた気がします。 「ロミオとジュリエット」撮影:田中亜紀 ――と言いますと?
日記 2020. 11. 23 2016. 「マームとジプシー」藤田貴大さん演出作品の舞台衣裳を、 スタイリスト大森伃佑子さんが担当! — 写真・小笠原真紀 インタビュー、文・望月リサ | ananweb – マガジンハウス. 12. 16 というわけで、12月10日から21日まで池袋の東京芸術劇場で藤田貴大演出「ロミオとジュリエット」をやってます。もうあと、数回で終わってしまうので、お見逃しのないよう・・・ 詳細はこちら。 音楽を英子さん、達久くん、私の3人で作らせてもらい、達久くんは芝居に出演しながら演奏もしてます。出演と言っても、ドラマーですが。ロミオとジュリエットのステージにドラマーがいる・・・って感じです。 しかし、このロミオとジュリエット、すべてが独創的で、かなりインパクトのあるものになってると思います。私も数回見てますが、衣装、舞台装置(美術? )、映像、音楽、音響、動き、セリフ、時系列、エフェクト・・・ある意味やりたい放題のような作品です。それでありながら藤田くん、「マームとジプシー」、シェイクスピア、全部ありですからね、説明になってないけど。 音楽は藤田くんと打ち合わせをした後、稽古に入る前、今年の8月にほとんど3人で録音しました。3人で共作したり、即興したり、一人ひとりの録音をもとに色々重ねたり、いろいろです。会場にてサウンドトラックも販売してるので、よろしくです。 そして、このサウンドトラックを録音した後に英子トリオでヨーロッパに行ってるので、そのツアー用に作られたCDもあります。 こちら、 bandcamp でも買えますし、ロミオとジュリエットの会場でも買えます。こちらは英子さんの歌ものなど中心の作品ですが、ロミジュリ・サントラと3曲かぶってます。しかしミックス違い(こちらはジム・オルーク・ミックス)なので、是非両方お楽しみください。 ちなみに、どちらも売り切れなければ、12/25のCAR AND FREEZERフェスティバルでも販売すると思います。是非、来て下さい。
Entame 写真・小笠原真紀 インタビュー、文・望月リサ — 2016. 12. 7 『anan』本誌(12月7日発売)で「マームとジプシー」主宰の藤田貴大さんが演出する舞台『ロミオとジュリエット』を紹介しました。じつはその時、藤田貴大さんと大森伃佑子さんは、もっともっとたっぷりじっくり、対談されていたのです。そのお話がとっても面白くて、紹介しないのはもったいない! ということで、ananwebでは、おふたりの対談拡大版を公開します。ロング対談をどうぞお楽しみください!
03 寺山修司生誕80年記念 『書を捨てよ町へ出よう』 (2015年)東京芸術劇場 シアターイースト 撮影:引地信彦 ―それで今回『ロミオとジュリエット』でも迷わずオファーを? 藤田 :『ロミオとジュリエット』を演出すると決めたときから、達久さんと一緒にやりたいと考えていました。参加ミュージシャンのキャスティングも達久さんにしてもらったら絶対におもしろいだろうと思って、お任せしました。 山本 :藤田くんから話を聞いて、すぐ石橋英子さんと須藤俊明さんだなと思いました。 ―山本さんはどういう点でこの二人だとピンときたんでしょうか? 山本 :藤田くんがやっているのは演劇って呼ばれていますが、あんまり俺はよくわからないと言うか、どうでもいいと思っています。やりたいのは、藤田貴大ワールドみたいなもので、藤田くんの頭の中がどうなっているのかが知りたい、それを出来る限り、具現化してみたいってことなんです。 『cocoon』(2012年、2015年、原作:今日マチ子、上演台本・演出:藤田貴大)を観て「こんな複雑なものをどうやって頭の中で組み立てているんだ?」って驚いたんです。そういうものを引き出して、少しでも具現化したい。それを一番出来るのがこの組み合わせだと思ったんです。 『cocoon』(2015年) 撮影:橋本倫史 藤田 :僕はそれまで二人をまったく知らなかったわけではないんです。須藤さんには以前レコーディングでお世話になっていたし、英子さんも『書を捨てよ』を観に来てくれたときに「一緒にやりたい」と思って、達久さんと話していたので、今回のチームはすごくうれしいです。