腰椎 固定 術 再 手術 ブログ

Sat, 29 Jun 2024 00:13:03 +0000

覚えていません(笑)。夢中だったので。 時を超える空間。 寒いなと思うまで、そして地上で待機している人たちの「あと、どれくらいいるの?」という声を聞くまで、すっかり時間の感覚を失っていました。 ふと我にかえって、怖さを感じることはないんですか? 「自分ってちっぽけな存在だな」と感じることはあります。謙虚な気持ちにもなるし、自分の脆さも感じます。あ、でも登山中に、クレバスに気づかず、溝に脚の部分がすっぽり挟まったことはあります。怖かったです。いま「クレバスは楽しい、美しい」と話していますが、正しく真剣に向き合わないと、死に結びつきます。このようなアクシデントは「氷河へのリスペクトを忘れずに」というリマインダーだと思っています。 美しさと危うさが表裏一体のクレバス。どうしても惹かれてしまうのはなんなんでしょうね。 人々がアクセスできない場所だということが、特別なんだと思います。本当に、別世界にいるみたいなんです。サウンドやビジュアルも。他の世界に連れて行かれたような気分になります。 実際に録音したクレバス・サウンドで、作品も作ったそうで。 『Meltwater』という曲は、クレバスのなかにいた体験をインスピレーションに作りました。曲の最後で聞こえるのは、南極で録ったクレバスのなかを落ちていく氷の音です。 『Meltwater』からの抜粋: 近いうちに、またクレバスに行く予定は? 昨年、カリフォルニアのクレバスに行こうと思ったのですが、山火事で国立公園が軒並み閉鎖してしまって行けませんでした。カリフォルニアは、ヨセミテ国立公園やシエラ・ネバダ山脈など、氷河地形の宝庫です。地球温暖化で氷が溶けてしまっているので、早く録音してアーカイブしたいと思っています。あと、グリーンランドの氷床には是非行ってみたい。広大なので、どんな音に出会えるのだろうか。 地域によってクレバス・サウンドにも特徴がありそうです。 飛行機音、ですかね。 飛行機音? カリフォルニアのクレバスだと、その上空を、1、2分ごとに飛行機が飛んでいきます。なので録音に人為的な音が入ってしまう。南極だととにかく人が少ないので、混じり気のないピュアなサウンドが録れるんです。 アナログとは? 物理的に近い距離からサウンドを体験している、ということ。耳からの"インプット"ではなく、体全体、そしてすべての感覚を巻き込んだ聴覚体験。 Cheryl E. 音声がエコーしているように聞こえる・・・解決しました。 - 二度寝備忘録. Leonard/シェリル・E・レナード サンフランシスコを拠点とする作曲家、演奏家、野外録音技師、楽器製作者。自然のオブジェクトを使ったパフォーマンスやサウンドの創造を専門としている。30年前から、実験音楽やノイズバンドでの演奏活動も続行中。また科学者や生物学者とのコラボレーションを通して、環境問題への啓発も積極的におこなう。 HP SoundCloud Photos: Cheryl E. Leonard Words: HEAPS

音声がエコーしているように聞こえる・・・解決しました。 - 二度寝備忘録

故意に音を出すこともありますよ。地上にいるチームメンバーに、わざと雪を落としてもらったり。だから、録音したクレバス・サウンドは、ナチュラルでもあり、マンメイドでもある。たとえば、つららがあったらマレット(木琴や鉄琴の演奏に用いられるヘッドの付いた木槌)で「ティンティンティン」って叩いてみても面白い。それぞれのつららは、異なるピッチがあるので、つららメロディーが演奏できます。強く叩くと壊れてしまうので要注意。 つららを叩いた音: 予期せぬクレバス・サウンドが聞けたことは? つららが壊れて落っこちて、他のつららにぶつかったことがありました。先ほども言ったように、それぞれのつららのピッチは違うので、まるでガラスがぶつかり合うような、あるいは、酔っ払いがでたらめに叩いた木琴のようなカオスな音がしました(笑) つららがぶつかり合う音: つららなどは地上でも聞けますが、クレバスという地上から切り離された空間だけでしか楽しめない氷の音というのは? 反響音ですね。いる場所によっても、聞こえてくる反響音が変わってくるんです。例えば、小さくて狭い箇所だと高音で聞こえますが、大きい箇所だと低音で聞こえます。空間が、耳に入ってくる周波数をフィルタリングしているんです。 空間と音というところだと、クレバスではないですが、氷河に存在するムーラン(解け出した水が氷に浸透し、氷と岩盤が接するところまで達したときに形成される穴)もおもしろい。水量にもよりますが、ムーランの大小によって、水の音が低音のベースサウンド、はたまた、バスタブの蛇口をひねって出たようなチョロチョロ音にも聞こえます。 クレバスの中は寒いんですか? 天候によりますね。南極のときは夏だったので、凍りつく極寒ではなかった。でもクレバス内にずっとにいると寒くなってきます。氷水で服や体が濡れたり、風が吹きこんできたりしたら、寒さもいよいよです。 それでもまだまだクレバスを探索したい? 「この音すごい」「違うマイクロフォンで録ったらどんな音がするんだろう」「空気を通して録ろうか、それとも水中マイクで直接氷を録ろうか」「まだ聞いたことがない音を録れるのではないか」などなど考えてしまい、どんどん深みにはまっていく。いくらでもクレバスの中にいたいですが、私の安全のために地上で待機している人たちもいるので、時間は有限です。それに、あまり動かないため体温も上がらないので、特に濡れている時には寒さが増して体の限界もあります。これ以上長くいると低体温症になってしまう、という安全面での限界もあるので。 南極のクレバスには何時間いましたか。 1時間…2時間…?

「クレバスの音を録音しよう」というのは、非常に大胆な思いつきです。思いつきは、いつ、どこで? 初めてクレバスの音に興味をもったのは、1990年代後半のことでした。サウンドエンジニアで作曲家の友だちと、アラスカにバックパックで旅をしていたんです。60マイルも続く未舗装の道の果てにあるマッカーシーという小さな町の近くに、ルート・グレイシャーという氷河がありました。登山スキルがあったので、自分たちで散策してみることにしたんです。 ワクワクする始まり。 お世辞にも質がいいとはいえないマイクとポータブルのDATレコーダー* を片手に、二人で歩き回っては氷床の所々にあるクレバスを見つけ、そのなかにマイクを落として録音していたんです。溶けた氷が水となってチョロチョロ流れている音など、クレバスごとに異なる音が録れました。 *音声をA/D変換してデジタルで記録、D/A変換して再生するテープレコーダー。 クレバスに接近して、危ないと思わなかったんですか。 クレバスは危険にもなり得ます。誤って落下してしまって、怪我をしたり閉じこめられたりしたら、死んでしまう。でも、これらの事故のほとんどは、氷河が雪で覆われていてクレバスの存在が見えない時に起こります。雪が溶けていて裸氷(氷床や棚氷の上に積雪も砂も砂利もない状態)の時には、どこを歩いたら安全かが見てわかります。 大丈夫だと思っていても、いきなり氷が割れて落ちてしまうこともあるのでは?