とメアリがストップをかける……と、それとほぼ同時にマーガレットがカッと見開いた。 「秒読みモードに入ったわ! ベルティナさん、逃げなさい!」 「な、なんですの……! ?」 「バルテーズ家を乗っ取られたくなければ、今は引くのよ!」 「こんなところで退きませんわ!」 今までの撤退を思い出しているのか、メアリが撤退を促してもベルティナは意地を張る。 思わずメアリが小さく舌打ちをした。令嬢らしからぬ余裕の無さだが、もう時間が残されていないと焦りを募らせるあまりだ。 なにせ狩人が先程からなにやら呟いている……。バルテーズ家の領地やその広さ、家柄、家族構成、そして家を乗っ取るための算段……。 かくなる上は……!
とメアリが怒りを露わにした。 「付き合ってられないわ! 私、このあとパルフェットさんとガイナスさんとお会いするの。さっさと帰ってちょうだい!」 「お二人がどんな反応するか楽しみですね、メアリ様! ねっ、そう思いますよね!」 「なにさらっと同席する気でいるのよ!
何故ですか? 待っていてくだ……いた!」 「ほらご覧なさい、コマ割は無視できないのよ」 「な、なんだ? 見えない壁がある……?」 「コマ割よ。コマ割が邪魔してるのよ。次のコマで私がそっちに行くわ」 「コマ? 何の話ですか?」 「ほら、着いた」 「あれ、さっきの壁は……?」 「アルバート家の令嬢といえども、コマ割には逆らえないの」 「コマだの何だの、いったい何の話をしてるんですか? そもそも、どうしてアルバート家の庭に見えない壁……むぐっ」 「あらアディ、フキダシを越える長台詞は駄目よ」 「フキダシ? いったい何が何だか……。おや、あっちでアリシアちゃんとパトリック様が」 「ここに! ここに何かトゲトゲしたのがあります!」 「アリシア、やめなさい! 集中線にさわるんじゃない!」 「抜けそうです! このトゲトゲの一本が抜けそうですよ!」 「やめなさい! 集中線を抜こうとするんじゃない!」 「何がなんだか……。きっとこれはあの方が関係してるんだろうな……パルフェット様、いらっしゃるならこの珍事の説明を……むぐっ」 「だから台詞はフキダシの中に収めなきゃ。パルフェットさーん」 (´;ω;){皆様ご機嫌よう、縦書き表示だと崩れてるんじゃないかということに最近気付いた、広報担当パルフェット・マーキスです……!) 「そういえばそうね」 「 ここ ( 後書き) が縦書きならパルフェット様はどうなってるんですかね? いや、それじゃなくてこの状態です。コマ割りだのっ……むぐっ!」 「アディ、だからフキダシ以上の長台詞は駄目よ」 「 これ ( フキダシ) だの、意味が分かりません」 (´;ω;){実は……実は……!!) (´;ω;){この『アルバート家の令嬢は没落をご所望です』のコミカライズが決定したのです!) (´;ω;){漫画を担当してくださるのは彩月つかさ様、詳細は4/1活動報告をご覧ください!) 「なるほど、だから ここ ( 後書き) がよりいっそうのとんでも状態なんですね」 「だから集中線が……抜いたわ! あの子ついに集中線を抜いたわ!」 「ご機嫌で振り回してますね」 「パトリック、止めて! やめなさい、二本目を抜こうとするんじゃないの!」 (´;∀;){皆様いつもありがとうございます。更新再開も予定しておりますので、またお付き合いください!) ・・・・・ 『アルバート家の令嬢は没落をご所望です』のコミカライズが決定いたしました!
その日、メアリは珍しく早く起きた。といってもどこぞの王女様のような鶏が鳴く前ではなく、一般常識で『朝』と言える時間だ。もちろん日は出ており、メイド達も働いている。 むしろアルバート家の屋敷は既に稼働しており、他の家族は皆すでに起床しているだろう。あくまで『メアリにしては早く』といったところか。 それでも普段より早い起床に気分を良くし、世話役に髪を整えさせる。今日はどんな髪型にするか……万年縦ロールだった暗黒の時代はもう過去のこと。やってみたい髪型ノートをめくりながらメイドと共に選ぶ。 そんな中、メアリはふと思い立ってとある髪型を提案した。 時間はかかるだろうが、早く起きたのだから問題ない。 そうしてメアリが身だしなみを整えれば、コンコンと軽い音と共に扉がノックされた。 アディが入室の許可を求めてくる。もちろんメアリはそれに了承の言葉を返し、部屋に入ってくる彼に起床の挨拶をし……、見せつけるようにぶぅんと髪を手で払った。 ぶぅん、と。 肩口で揺れるのは、緩やかなウェーブを描く銀糸の髪……ではなく、豪華な銀の縦ロール。 「お嬢、その髪型は……」 「早く起きて時間があったの。どう? 久しぶりでしょ」 メアリが見せつけるように銀の髪をぶぅんぶぅんと揺らす。きっちりと頑丈に巻かれた縦ロールは、かつてメアリとメイドと美容師達をこれでもかと苦しめた代物だ。 まるで呪い……そう恨みさえ抱いていた。だが高等部卒業と共に解放され、そして解放されてしばらくすれば、時折は思い返して真似ても良いとさえ思えていた。 これはもうかつての呪いではない。いつでも己の判断で解ける、一時的な再会。あれほど憎んだはずなのに、今肩口で揺れる感覚に懐かしさすら感じてしまう。ーーたいそうな説明であるが、あくまで髪型の話だーー 「散々ドリルだの合金だの言われたけど、これはこれでなかなか」 「…………しません、からね」 「え、なに?」 「お嬢の髪型が戻っても、俺との結婚は白紙にはしませんからね!」 「アディ! ?」 どうしたの!? とメアリが驚愕の声をあげる。 それでようやく我に返ったのか、アディが咄嗟に声をあげた事を詫びてきた。入室してメアリを抱きしめて、そのうえ縦ロールを一巻ぶんぶんと軽く揺らしながら。 「申し訳ありません。髪型を戻すことで関係も戻すという意味なのかと思いまして……」 「深読みしすぎよ。縦ロールにそんなメッセージ性は無いわ」 アディの胸板にグリグリと額を押しつけながら宥めれば、ようやく落ち着いたのか髪をいじっていた彼の手がメアリの背に触れる。まるで確認するかのようにぎゅっと抱きしめられれば、甘いくすぐったさが湧く。 髪を整えてくれたメイドがクスクスと笑い、こっそりと退室していくのが見えた。それもまた甘さに変わる。 「そういえば、アリシアちゃんとパトリック様がいらしてますよ」 「あら、そうなの?
悪役令嬢は夜告鳥をめざす 「第2回異世界転生・転移マンガ原作コンテスト」<優秀賞>受賞!書籍化&コミカライズ決定! !
漫画がテーマの作品だけあって、オープニング映像や劇中の演出がところどころ漫画チックでポップでかわいい。 役によって体重や外見も大幅に変えることで有名な鈴木亮平、どちらかというと精悍でスポーツしてそうなイメージの役が多かったように思う。今回の漫画家・刈部清一郎のビジュアルはこれまでの彼の印象とはまた違った印象だなと感じた。基本おでこの一部または全部を見せる髪型が多いが、今回は前髪を全部降ろしているからだろうか。個人的には過去イチ好きなビジュアルかもしれない(お葬式のときのあの格好は不審者でしかないけど)。 対する久遠あいこ役の吉岡里帆、夢なし、彼なし、仕事なしの崖っぷちアラサーという設定だが、ドラマの崖っぷち女子って全然崖っぷちじゃないよね~(はじ恋の深キョンとか)感は否めない。また前クールの「その女、ジルバ」の同条件アラフォー、見た目も変えてきた池脇千鶴の崖っぷち感を観てしまっているので、比べると若いしかわいいし全然大丈夫では? となってしまう。 でも、それはあくまでぱっと見の話。崖っぷち女子ということでもっと悲壮感漂う雰囲気なのかなと思ったが、テンポよくコミカルに話が進むし、あまりイメージがなかったが吉岡里帆のコミカルなお芝居がうまい! 楽しく見ることができた。またちょっとウサギちゃん系困り顔なので、無理難題をふっかけられて困る様子が似合う。 葬儀屋で働くあいこ。職場で遺影となった初恋の人・刈部純(白石隼也)と再会する。これはなかなかきつい。 彼の忘れ形見・レン(岩田琉聖)が一人泣いているのを見つけ、流れで自分が昔純を好きだったこと、5回告白して付き合ってもらえたことなどを話す。そこにやってきた清一郎は突然あいこにせまり(壁ドン)、「レンアイしろ」と迫られ突き飛ばし、怪我をさせてしまう。いや、でも急に黒づくめの190近い男にそんなこと言われたら怖いし無理もないよな……なのにクビになってしまってかわいそう。 あいこは清一郎の担当編集者、向後(片岡愛之助)に執拗に付きまとわれ、断るも清一郎に「君しかいない」と言われ、報酬は100万円と聞いて彼の漫画のため、レンアイする仕事を引き受けることに。恋のターゲットがラグビー好きで、自分は丸の内OLという設定のために特訓するあいこと向後が体育会系ノリで面白い。二人ともコミカル似合う。丸の内OLの着回しが載ったファッション誌を買ってノートに切り貼り、ラグビーのルールは本と元ラガーマンの向後から習う。 決行の日、カフェでターゲットを見つけられず(ってか顔事前に見なかったんかい)時間切れになりそうなあいこを見守る向後(店外で)と清一郎(向後の撮る映像で)。「諦めるな!
水無月連は、第9話の中で口パクをしていましたが、何を言っているのかがわかりませんでした。そこで、ネットでの意見をまとめてみました。 こうして見てみると、色んな意見が見られますが、あれだけ偏屈な水無月が素直な気持ちを伝えるのは恥ずかしいという気持ちがあったから、敢えて口パクといった行動を取ったのかなとは思いましたが・・・ リコカツ9話 水無月先生(白洲迅)の口パクは 「咲いて 緒原 咲」 だと思います。 小説家らしく、咲の名前にかけて言っているのではと思います。 頑張れ や 走れ 大好きだ などと多数憶測も上がっていますが、口の動きや文字数が合っていませんよね。 もう一度確認してみてください。 #リコカツ — 🍊 (@natsuki8872) June 12, 2021 水無月先生〝頑張れ、小原咲〟って口パクで言った!!! かっこいいー! #リコカツ — Bamboo (@Bamboo_080310) June 11, 2021 #リコカツ 好きすぎて終わってほしくない〜😭😭水無月先生の口パクは「勝ちだ、緒原咲」に一票✨水口咲じゃなくて緒原咲って言うとことか、小説書き上げるまでに誰とも付き合ってなかったら自分と付き合うっていう賭けに咲が勝ったと認めたとことか、わかってたんだよね水無月先生〜〜〜好き😭😭😭 — かりん (@ka_riiiiin) June 11, 2021 水無月先生の口パク、勝ちだ、緒原咲に1票 紘一さんとの元サヤってことは賭けに勝つわけだもんね — かえで (@__kkkaede) June 11, 2021 こうして見てみると、 「勝ちだ、緒原咲」 が正解なんでしょうかね? スポンサーリンク