0から0. 8まで低下していたため、黄斑円孔網膜剥離に進展する前の段階での硝子体手術の選択となった。小切開硝子体手術(25G)(内境界膜剥離および空気注入)施行と入院下腹臥位安静により、解剖学的な黄斑部構造の正常化が得られ、自覚症状も視力1. 0までの回復が得られ、治療に成功した。 現在最も興味を持って取り組んでおられる臨床上のテーマについて教えて下さい。 現在近視とその合併症の発症メカニズムに関して興味を持って取り組んでいます。近視は最も身近な眼のトラブルといっても過言ではないくらい、ありふれた疾患です。しかし、近視の程度やその経過は人によって千差万別です。強い近視の方でも何の合併症もなく過ごされる方もいます。これから近視の発症メカニズムに関して研究が進むことで、進行予防や合併症の発症しやすさなどが分かれば、長い目で見て失明する人を減らせることにつながると考えています。 ツカザキ病院眼科の強度近視眼底外来の責任者として、未来像を教えて下さい。 まず、来院してくださった強度近視の患者さんには自分の目の状態を正しく把握して頂けるようにしたいと考えています。眼の状態を正しく評価し、適切な治療を適切なタイミングで行うことを心掛けて、患者さんとともに医療を行う姿勢を大切にしたいです。 また、強度近視眼底外来を担当する中で得られたデータを患者さんに還元できるよう研究にも従事していきたいと考えています。 ありがとうございました。 強度近視眼底病変でお悩みの方は、 どうぞお気軽に当科を受診下さい。
網膜剥離: 網膜が薄くなって穴があき(網膜裂孔)、そこから眼の中の液体が網膜と脈絡膜の間に入り込んで網膜が剥がれてしまった状態です。 近視性牽引黄斑症候群: 網膜が前方に引き延ばされ、前後に裂けたり(網膜分離症)、横方向に裂けたりすることがあります。前後の裂け目が広がると難治の黄斑円孔網膜剥離となります。 近視性網脈絡膜新生血管: 病的な血管が生じて、目の奥に水が溜まったり出血したりして、視力障害を起こします。眼球への注射で治療することがあります。 網脈絡膜萎縮: 脈絡膜が薄くなると網膜に栄養が届かなくなり、網膜が痩せて光を感じにくくなります。 ◆最後に皆様に向けて、まとめていただけますでしょうか? 強度近視そのものを治療する方法は残念ながらありません。しかしながら定期的な診察を受けて頂くことで、合併症が重篤になる可能性を軽減できるかもしれません。 強度近視の眼は、元々見えにくいことから、病的な状況が出てきても、自分では気付かないことがあります。強度近視の方は、少なくとも一年に一度の定期診察をお勧めします。 田淵 ツカザキ病院眼科が強度近視眼底専門の外来を立ち上げて、どれくらいになりますか? 白神 2010年4月からツカザキ病院強度近視外来がスタートし、途中から前任の医師より私が引き継ぐ形となりました。 どのような患者さんを対象にして近視眼底の専門治療を行っているのでしょうか?
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