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Sat, 18 May 2024 19:37:59 +0000

コリン・デクスター『キドリントンから消えた娘』/モース警部 生涯独身、肥満体型、頭髪が薄いことを気にしていて酒と女が大好き、と書き並べると一見ただのおっさんですが、一方でクロスワードパズルとクラッシック音楽が大好き、という教養深そうな面もあるこの人こそ、オックスフォードのテムズ・バレイ警察の主任警部であるモースです。 ただの中年中間管理職と侮るなかれ、彼はその持ち前の頭脳で難事件を解決してしまいます。ただその方法が実に独特。彼の推理は地道な捜査という一般的な警察の捜査とは程遠く、仮説を作っては矛盾点が出てくるとその仮説を崩し、新たな仮説を打ち立てる、その繰り返しを何度も繰り返し、最後には真実にたどり着くという、まるで彼の趣味である クロスワードパズルのような推理法 を駆使するのです。 本作はそんなモース警部独特の推理をもっとも楽しめる作品です。二年前に失踪した少女を追うモースたち、「彼女は生きているのか、死んでいるのか」、最後の最後までこの問いに対するモースの回答は変わり続けます。シンプルな謎でありながら、ラストぎりぎりまで驚きに満ちているのは、まさしく ジェットコースターのように我々を振り回すモース警部の推理(妄想? )の賜物なのです。 13. はやみねかおる『笛吹き男とサクセス塾の秘密』/ 夢水清志郎 ゆめみず・きよしろう 夢水清志郎は、 道化 です。彼は本当に博学で、論理的思考に優れています。しかし人前で彼は生活力と常識がゼロで、忘れんぼうで、食欲においては意地汚い人間です。彼はこう言います。「名探偵はみんなを笑顔にする職業だ」と。彼は難事件の前で困り果てる人たちを笑顔にするために、道化になり、謎を解いていくのです。その 「愛すべき」変人ぶり は、謎の「笛吹き男」による学習塾の生徒130人を消すという予告に隠された秘密を解明し、高校受験勉強にヒーコラ言う本作が白眉だと思います。 14.

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名探偵コナン マリオネット交響曲 | ニンテンドー3Ds | 任天堂

古野まほろ『天帝のはしたなき果実』/古野まほろ 「古野まほろは特殊な作家だ。」 これはもう間違いありません。そして、古野まほろが生み出した作者と同名の探偵・古野まほろもまた特殊な探偵なのです。 仮にまほろ(作中)が知り合いだった場合、第三者に彼をなんと説明して紹介すればよいでしょう。「吹奏楽の甲子園」こと普門館を目指して汗水流す吹奏楽部員、探偵小説マニア、こころの病気を患う子、あるいは 「エロコアラ」 とあだ名されるほどの変態。どれも正解だが真に本質的ではないような気がします。ただ一つだけ言えること、 まほろは悲しいほどに探偵です。 特殊な作家が書き、特殊な探偵が活躍する小説が、特殊でないわけがありません。「うげらぼあ」といった唐突でオリジナリティに溢れる口語表現、「 畜生 めるど !」、「ああ 終幕 カーテンフォール 」などの異常なこだわりに満ちたルビ、そして本格派探偵小説への溢れんばかりの愛……。これは 新時代の本格ミステリ なのです。 3. 早坂吝 はやさか・やぶさか 『虹の歯ブラシ 上木らいち発散』/上木らいち 性欲は人間の三大欲求に数えられます。しかし、探偵たちの性生活はこれまでほとんど描かれることがありませんでした。そんな状況を破って、ここに性生活完全オープンの探偵が登場しました。 「史上最もHな探偵」 と銘打たれる、上木らいちですが、その広告に偽りはありません。露骨なまでの性描写は、一周まわってコミカルなほどです。そしてらいちは、その「Hな」発想をもってして謎を解き明かすのです。 そう、 らいちの推理は「下ネタ」が基本。 程よいくだらなさを 湛 たた える「下ネタ」と、冴えわたる推理が融合することで見えてくる真相は、非常にユーモアに富んでいてこちらの抱腹を誘います。謎が解き明かされたときに読者を襲うのはカタルシスか、それともオーガズムでしょうか。 4. 三津田信三『 厭魅 まじもの の如き憑くもの』/ 刀城言耶 とうじょう・げんや ホラーとミステリの融合を試みている小説は多くあります。その中でも、三津田信三が書く 「刀城言耶シリーズ」の完成度は群を抜いている といえます。 探偵としての刀城言耶の能力は中程度でしょう。特に天才的なひらめきを見せるというわけでも、付け入る隙のない精緻な論理立てを武器とするわけでもありません。特筆すべきはなんといっても 彼の怪異譚への執着 です。未知の怪異譚があると聞くと、東西南北構わず赴いて自分の興味を満たす徹底ぶりは、ある意味真摯な姿勢だとも言えます。しかし同時に、言耶は怪異譚のこととなると我を忘れる性質も持ち合わせるのです。 趣味のこととなると病膏肓に入り、他人に迷惑をかけてしまった経験をもつオタク諸君は少なくないはず。そんな人は作中の言耶の姿をみて、苦い体験をフラッシュバックさせることでしょう。ですが、一方でそれらの変態的ともいえる執着に我々がどこか愛らしさを覚えてしまうのもまた事実です。 言耶は怪異じみた事件を合理的に解き明かしていきます。しかし、実はそれでいて怪異に囚われたままだという事も少なくありません。 怪異を求めながらそれに翻弄される探偵 の姿もお楽しみください。 5.

探偵の癖がスゴい!奇人・変人におすすめのミステリー小説20選 | P+D Magazine

ミステリにおいて探偵役は付きものですよね。事件そのものよりもエキセントリックな探偵の方ばかり印象に残ることも多いのでは?それは今も昔も変わりないようで「探偵の名前だけでなく作家の名前も覚えて!」ってことで作中の探偵とペンネームを同じにしてしまったエラリー・クイーンという作家もいたほどです。 「なんで探偵はみんなこんなに変人ばかりなの?」と聞かれると答えるのは難しいですが、おそらく「予想外の推理ができる=他の人と考え方が違う=奇人・変人」というような人物造形の仕方を、ミステリの祖であるエドガー・アラン・ポオや、変人探偵代表格のシャーロック・ホームズの生みの親、コナン・ドイルが編み出したからではないでしょうか? 今回は、われわれ総合文芸サークルのワセダミステリ・クラブが、 古今東西のミステリ作品20冊に登場する「変人探偵」 を一挙20人紹介させていただきます。どいつもこいつもあのホームズにも負けない、むしろ凌駕するような変人っぷりです。もちろん探偵だけでなくミステリとしての面白さも抜群のものを選びました。気になる探偵が見つかったら、ぜひぜひ読んでみてください。 探偵たちの怪しいフェティシズム 1. 麻耶雄嵩 まや・ゆたか 『メルカトルかく語りき』/メルカトル鮎 出典: ミステリーの世界に名探偵はたくさんいます。しかし、自ら「銘探偵」と名乗るほど尊大な人物は一人しかいません。メルカトル鮎、その人です。 メルカトルの特徴はなんといっても彼が 不可謬 ふかびゅう 、つまり決して誤ることがないということです。よって彼のもたらす解決は 無謬 むびゅう 。これは絶対的な公理です。 性格は「人でなし」という表現がぬるすぎるほどに極悪。 もはや犯人を指摘するよりもメルカトルがいなくなる方が世のため人のためなのではないかと疑いたくもなります。時には自分の利益のために犯人をでっちあげ、時には興味を理由にわざと解決を遅らせ、時には助手を死なせかけるその所業は、まさに鬼畜。しかし、読者はそんなメルカトルに不快の念を抱くことはなく、 むしろ清々しささえ覚える のです。 他にも「予言」で周囲を振り回す謎の転校生・鈴木太郎(『神様ゲーム』)、トラウマ持ちのモラトリアム青年 如月烏有 きさらぎ・うゆう (『夏と冬の 奏鳴曲 ソナタ 』)など、麻耶雄嵩の生み出すキャラクターは、程度の差こそあるものの 総じてどこかしら変態的 です。変態に飢えている人は、是非ご一読を。 2.

清涼院流水 せいりょういん・りゅうすい 『コズミック-世紀末探偵神話-』/ 九十九十九 つくも・じゅうく 島田荘司「占星術殺人事件」に登場する探偵、「 御手洗潔 みたらい・きよし 」のハチャメチャぶりが探偵の一つのデフォルトと化し、以降、探偵のキャラクターも重要視されるようになりました。そういった観点の極致が『コズミック』です。一言で言えば、 「クセが強い」ミステリ小説。 何せ「年内に1200人を密室で」殺す「密室卿」に、探偵組織である「JDC」が立ち向かうというストーリーなのです。 今回はその中から、探偵・九十九十九を紹介します。周りの人たちは、彼と目を合わせれば失神。声を聴いても失神。挙句の果てにはお辞儀をしただけでも失神。 推理以上に本人の美形さが目を引いてしまう探偵 です。「癖の強い」探偵たちのオンパレード。それが本作です。 思わずニンマリ。愛すべきコミカルな奇人探偵たち 6. アントニイ・バークリー『ジャンピング・ジェニィ』/ロジャー・シェリンガム 「ミステリの探偵ってみんな超人過ぎて親近感湧かない……」という方におススメの探偵がロジャー・シェリンガムです。自分の犯罪学の知識を鼻にかけているけど誰も想像できなかった推理を披露して周りを驚かす……とこれだけだったら他の名探偵と変わりませんが、彼の場合、この天才的な推理が間違っているときもしばしば!本当はシンプルな事件を、持ち前の頭脳で複雑に考えてしまうのです。この 「ズッコケ感」 こそ、彼が超人ではなく等身大の人間であることを読者に感じさせる要因なのです。 さらに今作ではなんと普通の探偵ならありえない行動を起こします。首を吊った夫人を見て自殺に見せかけた殺人であることを見抜くシェリンガム、しかし彼は、被害者がみんなに憎まれていたからという理由で、殺人である証拠をもみ消して自殺で片付けようとするのです!しかしそのせいで友人から自分の犯罪と疑われてしまい、無実を証明するために真犯人を探し始めます……。この人間臭さ(? )も見ものですが、誰も想像できない真実にも必ず驚かされること間違いなしです。 7. 倉知淳『猫丸先輩の空論』/ 猫丸 ねこまる 先輩 ベランダになぜ毎朝ペットボトルが置かれるのか?事故現場になぜ無線タクシーが集結させられたのか?見過ごしそうな、しかし見つけると気になって仕方が無くなる 「日常の謎」 を解き明かすのは年齢不詳の猫丸先輩。おそらく探偵界指折りの童顔でありながら、毒舌を振りかざし、後輩の八木沢を振り回す。そのギャップに 「萌え」 を感じてしまうこと、間違いなしです。 ミステリ小説としてみても、テンポよく進む連作短編形式と、しっかりと組み立てられた伏線とのバランスが絶妙なので、これからミステリを読み始めたいという人に是非ともおすすめしたい一冊。 8.