マイホームを買うタイミングはいつがいいのでしょう? それぞれメリット・デメリットや注意すべきことがあって、答えが出しにくいことかもしれません。ここでは、ファミリー世帯にクローズアップして、「わが家の住宅取得」について考えてみましょう。
データで見る住宅取得年齢
まずは実際の住宅取得年齢のデータを見てみましょう( 表1 )。 国土交通省「平成28年度住宅市場動向調査」によると、初めて住宅を取得した「一次取得」の年齢は、戸建てもマンションも30代が多く、次に多いのが40代です。2回目の取得となる「二次取得」は60代以上が多くなっています。
表1 住宅はいつ買っている? 年代 一戸建て マンション
一次取得者 二次取得者 一次取得者 二次取得者
30歳未満
7. 3%
3. 9%
8. 5%
1. 4%
30代
40. 3%
35. 6%
10. 8%
40代
36. 6%
25. 5%
31. 4%
25. 7%
50代
8. 9%
23. 5%
14. 4%
24. 3%
60代以上
6. 3%
43. 1%
10. 2%
37. 8%
国土交通省「平成28年度住宅市場動向調査」
一方、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2016」のデータ からは、世帯主の年代別持ち家率(2人以上世帯)がわかります( 表2 )。これは年代ごとの持ち家の「割合」を示しています。持ち家率が年代でぐんと上がるのが30代(+37. 9%)、次に増加する割合が高いのが40代(+15. 6%)です。
データは、「購入による取得」と、「相続による取得」に分けられていますが、「購入による取得」だけで見ても、やはり30代の上昇率が高く(+31. 7%)、次が40代(+14. 8%)となっています。ちなみに、相続で取得する割合が高いのは50代(+9. 3%)です。
表2 世帯主の年代別持ち家率(2人以上世帯)
年代 持ち家率 (購入) (相続)
20代
12. 0%
10. 7%
1. 3%
47. 9%(+37. 9%)
42. 4%(+31. 7%)
5. 5%(+4. 2%)
63. 5%(+15. 6%)
57. 2%(+14. 8%)
6. 3%(+0. 8%)
75. 4%(+11. 9%)
59. 8%(+2. 6%)
15. “住宅購入のタイミング”を調査!そのときの「子どもの年齢」はいくつだった?. 6%(+9. 3%)
60代
82. 8%(+7.
【専門家が解説】マイホームを買うタイミングはいまで大丈夫?注意すべきポイントは? - 中山不動産株式会社Magazine
マイホームの購入にあたっては、子どもの存在はとても大きい。幼稚園・保育園や小学校などの就学や、治安など周辺環境への配慮。きょうだいの有無や性別・年齢差、成長などに伴う子ども部屋の設定など、考慮すべき項目は多い。いったい、子どもがいくつくらいの時に持ち家を購入するのが最善なのか、思い悩んでいる人も多いもしれない。
今回は、マイホームを所有しているマイナビニュース会員473人に「子どもがどのタイミングで家を購入するのがベストだと思うか」などを聞いた。
子どもの年齢が何歳で家を購入するのがベスト? Q. ご自身が何歳のときに家を購入されましたか? (複数お持ちの方は最初の住宅を購入した年齢をお答えください)
1位「30歳以上~35歳未満」(31. 3%)
2位「35歳以上~40歳未満」(21. 1%)
3位「25歳以上~30歳未満」(17. 1%)
4位「40歳以上~45歳未満」(13. 3%)
5位「20歳以上~25歳未満」(8. 7%)
6位「20歳未満」(2. 5%)
6位「45歳以上~50歳未満」(2. 5%)
6位「50歳以上~55歳未満」(2. 5%)
9位「55歳以上~60歳未満」(0. 6%)
10位「60歳以上」(0. 2%)
Q. お子さんはいらっしゃいますか? 「はい」(68. 7%)
「いいえ」(31. 3%)
Q. 次のうち、どのタイミングで家を購入するのがベストだと思いますか? 1位「妊娠前」(30. 5%)
2位「3~5歳」(27. 7%)
3位「0~2歳」(14. 5%)
4位「6~8歳」(10. 【専門家が解説】マイホームを買うタイミングはいまで大丈夫?注意すべきポイントは? - 中山不動産株式会社MAGAZINE. 5%)
5位「12歳以上」(9. 2%)
6位「妊娠中」(4. 3%)
7位「9~11歳」(3. 4%)
Q.
“住宅購入のタイミング”を調査!そのときの「子どもの年齢」はいくつだった?
ずっと家を買いたいと思っていまして。彼のいびきの問題も、寝室を別の階に分ければいいんじゃないか、と考えていました。あと長男も小学生となり、持ち家で落ち着いて過ごしたいと思い始めたことも購入の理由です。私自身、家族と実家で過ごした思い出はとても貴重でしたし、就職してからはプロジェクトごとに勤務地を転々としていたので、その反動から、同じ家という安定した環境で、家族みんなが思い出を積み重ねながら生きていきたいって思っていたんです。周りでも同様の家族が多かったので、普通のことだと思っていました。
――「実家に帰りたい」と言っていた彼を、説き伏せることはできた? ずっと折り合わず、話は平行線をたどりました。「実家に帰りたい」ということ以外に彼は「お金が足りない」と言っていて。「だったら私が稼ぐよ」って言って、同じ業界の職場へと転職をして、仕事を頑張った結果、数年かけて頭金に十分な貯蓄ができたんです。少なくとも、そこでお金の問題をクリアしたんです。「嫌だったら、家、売ればいいんだよ」と、彼には言っていました。それに彼自身、ファイナンシャルプランナーに複数回相談して「資金計画も全く問題ない」というお墨付きをもらって、お金の不安を解消していました。彼も納得した上で、家の購入へと進んでいったんです。そうして、何軒か家の内覧に行って、ローンの計画を固めて、18年のクリスマス前、予約に至りました。
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子どもを連れて、逃げました。
「住宅資金」「教育資金」「老後資金」は「人生の三大資金」と言われ、その他にも結婚や出産といったライフイベント時にはまとまったお金が必要です。多くの人にとって「人生最大の買い物」と言われる家を買うベストなタイミングはいつなのでしょうか。ここでは子育てを前提とした「買い時」を考察します。
「人生の三大資金」をはじめ、生きていく上で必要となる主なお金は? 結婚費用参照:「ゼクシィ結婚トレンド調査2019」
出産費用参照:「国民健康保険中央会・平成28年度」
住宅購入費用参照:「国土交通省・令和元年度 住宅市場動向調査」 (P3)
教育費参照:「文部科学省・平成30年度子供の学習費調査の結果について」 (P2)
「文部科学省・国公私立大学の授業料等の推移について」
老後資金参照:「生命保険文化センター・令和元年度 生活保障に関する調査」 (P39. 40)
「ゼクシィ結婚トレンド調査2019」によると、婚約から新婚旅行までにかかる費用は全国平均で、461. 8万円。出産費用は「国民健康保険中央会」によると平均50. 5万円です。
教育費用は、文部科学省の平成30年度「子供の学習費調査」によると、幼稚園から高校まで公立に通った場合が平均541万円、私立に通った場合が平均1, 830万円、「国公私立大学の授業料等の推移」によると、授業料を初年度授業料の4倍とした場合、
国立大学が約243万円、私立大学が約387万円となり、合計すると幼稚園から大学まで公立に通った場合が平均784万円、すべて私立に通った場合が平均2, 217万円となります。
そして、老後に必要な生活費は「生活保障に関する調査」によると、夫婦で最低限の生活を送る場合、毎月平均22. 1万円、ゆとりある老後を送りたい場合は毎月平均36. 1万円で、年金で賄えない分が実際に支払う費用です。
家を買うタイミングは、これらのライフイベントとできるだけ被らない時期がおすすめです。住宅ローンの借り入れを考えている場合は「いつまでの完済を目標とするか」も考えながら計画しましょう。
ライフイベントに沿って考える「ベストな家の買い時」は?