?」 衝撃が左の脇腹をかすめ、激痛が走り抜ける。 (かすっただけで、この威力かよ) 戦慄が頭をよぎるが、怯えている暇などなかった。 「危ない!」 叫びに顔を上げると、距離を詰めたブリングが毒々しい装飾のナイフをこちらに振りかぶっているのが見えた。 回避の余裕はない。 「くっ! 〈ファイナルブレイク〉! !」 もはやナイフの残量も心許ない。 それでも虎の子の〈ファイナルブレイク〉でブリングを弾き飛ばし、ほんのわずかな猶予を稼ぐ。 「兄さん!」 「レクスさん、今援護を!」 背後から、聞こえる声。 その言葉に、俺は思わず振り返って叫んでいた。 「ダメだ! お前たちは今すぐ逃げ――」 だが、 「――余所見してんじゃねえぞ、雑魚が」 その一瞬は、〈魔王〉との戦いにおいては、あまりに大きい隙だった。 「……ぁ、え?」 みぞおちに、灼熱感。 視線を戻すと、俺の目前には〈魔王〉の顔。 薄汚れた暗緑色の肌に、心底愉快そうに乱杭歯を剥き出して、奴は笑っていた。 「これで、ゲームオーバー、だ」 その悪辣な笑顔が、上にずれる。 いや、違った。 俺の身体が、前に傾いでいた。 「……にい、さん?」 背後から、レシリアの声が聞こえる。 その声に応えなくてはいけないのに、両足にまるで力が入らない。 俺は血の流れ出す腹部を押さえたまま、その場に膝をついていた。 「い、癒やしを! !」 慌てたマナの声が聞こえ、一瞬だけ、あたたかな光が傷を包み込むが、 「ど、どうして!? 回復魔法が、効かない! ?」 動揺するマナの声に、心の底から楽しそうに〈魔王〉は笑う。 「アハハハハ、そりゃそうだ! オレのナイフには、たっぷりと『呪い』が染み込んでてなぁ。テメエらのチャチな魔法なんかじゃ、その傷は絶対に治せねえんだよ」 「そ、んな……」 力を失い、震えるマナの声とは裏腹に、 「許さ、ない!」 「よくも、よくも師匠を!」 後ろから、怒りに震えるレシリアたちが駆け出す気配を感じる。 「や、め……」 しかし、そんな抵抗も、 「羽虫が。うるせえんだよ」 無造作に振るわれた〈魔王〉の腕の一振りで制圧された。 振るった腕から衝撃が吹き荒れ、俺の頭越しにラッドたちを吹き散らす。 (なん、だ。なんだよ、これは) たったの、数十秒。 ほんの一分にも満たない戦闘で、俺たちはたった一人の魔物に蹂躙されていた。 「――悔しいか?
だが、これが『現実』だ」 俺の思考を読んだかのように、〈魔王〉は嗤う。 「雑魚は雑魚なりに頑張ったようだが、オレとオマエじゃ存在の格が違う。所詮オマエらは、オレたち強者に蹂躙されるだけの存在なんだよ」 いつか聞いたチープな台詞が、確かな実感を持って俺の脳に染み渡る。 そして奴は、死刑執行人の厳かさで、ゆっくりと俺の顔の前で、手を広げた。 「兄さん! やめて! 兄さんッ! !」 「嫌! レクスさん! だめぇええええええ! !」 抵抗は、無意味だった。 背後から聞こえる必死の叫びも、非道なる〈魔王〉の前に、何の効果も見せず。 〈魔王〉がかざした手には、俺を殺すのに十分すぎる魔力が集まって……。 「――これでお別れ、だ」 ついに致命の一撃が俺に下される、その、直前、 「な、なんだっ! ?」 視界全てを覆うほどの光が、俺とブリングの間を隔てた。 (あたた、かい……?) 今までの息苦しさが、嘘のようにやわらいでいく。 力を失っていた四肢に活力が戻り、霞んでいた視界がふたたび像を結ぶ。 そして、ようやく視界が晴れた時、俺の目の前にあったのは……。 「……剣?」 誰かのつぶやきが、耳に入る。 それは果たして誰の声だったのか。 だが、もはやそんなことはどうでもよかった。 「……はは、ははははっ!」 口から、自然と笑い声が漏れる。 「テ、テメエ! 何笑ってやがる!」 ブリングの激昂した声が聞こえても、笑うことを止められない。 だって、俺の目の前に浮かんでいるのは、俺がブレブレのゲーム中でもっとも多く目にして、そしてもっとも多くの場所で助けられた、運命の剣。 ――〈 光輝 《 ひかり 》 の剣〉。 闇を祓い、魔を討つために作られた、選ばれし者の剣。 それが、まるで俺の手に取られるのを待つかのように、頭上で悠然と輝いていたのだから。 次回、決戦! 次の更新は明日の21時です
氷ロ雪 1, 000pt 10pt 2021年7月15日 17時13分 それ、くそ分かります!コイツ、読んでねぇけど、兎に角見返りがありそうな人、カモを見つけて読んでもらうキッカケ作ってるだけだろうが!見え見えなんだよ!って、本当にイライラします。引用リツイート、リツイートした人の方が目立ってるから!ってなります。 ※ 注意!このコメントには ネタバレが含まれています タップして表示 あわわ、たくさんのポイント&コメントまで……ありがとうございます! とあるサイトで、1000万円をいただけるという方を見つけました... - Yahoo!知恵袋. 私の駄文が響いたみたいで嬉しいです。 普通に読んだ上で、良いと思ったから拡散する。みたいな宣伝はとても有難いんですよね。作者的には😇 ※ 注意!この返信には ネタバレが含まれています 読者的にもあれ迷惑なんですよね……通常RTなら非表示設定でOFFにできるんですが、引用RTは問答無用でTLを押し流すので。読んでるかどうか怪しい無差別RTなど邪魔なだけなので非表示設定してるのに、無視して抜けてくるので非常に鬱陶しいです。感想の一言もない引用RT、いらないです。 コメントありがとうございます。引用は目につきやすいのがメリットですが、つき過ぎると困ってしまいますよね💦。一言でもあらすじや感想があれば読みたいと思う読者が現れ、作者は読んでくれたと嬉しくなって、みんなが優しい世界になると思います笑。 数多く露出させる=作者の応援? と見ていました。けれど「読んだんですか!? どうでしたか?」と聞かれた時に、いやまだ読んでいないんです、と答えるのはあまりに申し訳なく、結果読んだ作品しかツイートできずにいました。なるほどそのような考えもあるのだと、思ったところです(*^_^*) コメントありがとうございます。私の考えになりますが、読んだ作品に対する応援ツイートはどの作者さんにとっても嬉しいことだと思います。作者側からしたら「応援ツイートしてくれる」=「見た上で良いと思ってくれた」と勘違いしてしまうことがあるので……笑 たぶんご本人は本当に悪気なく良かれと思ってやってくださってるんですよね…… ただ、どうしても機械的な作業にしか見えないので、わざわざ引用までするならせめて作品内容をチェックして感想や紹介などのご自身の言葉を添えてほしいなぁとは常々感じております。 コメントありがとうございます。勿論悪気のない方やどんなリツイートでも大歓迎!
STUDIO仙台は受講生が激増したと耳にしたのですが、本当でしょうか? 宮崎さん: そうなんです。2017年11月に開校しましたが、2020年9月は昨年同月比で 受講申込が5倍 になりました。 多くの方が転職目的 ですね。 ――5倍!!! 現役の転職エージェントが裏事情を大暴露!成果報酬の実態について | すべらない転職. コロナ禍で雇用が不安定になって、手に職をつけたいという人が増えているんでしょうね。でもそこまで伸びるとは、何か特別な運営方法に変えたんですか? 宮崎さん: いや、僕も詳しい理由はよくわからないんですよ(笑)。本業は携帯電話販売なので、スクール運営のノウハウ的なものはなかったですし。 ――これはまた、畑違いの業種ですね。そもそもどうしてSTUDIO事業を始められたんですか? 宮崎さん: 実は僕がデジタルハリウッドSTUDIOのオンラインスクールの卒業生なんです。当時、Web関連の勉強をしたくてスクールを探したんですが、仙台にあるスクールはカルチャースクールの要素が強く、あまり実用的ではなくて。それでオンラインで学んだんです。 ――ご自分がスクール探しに困ったから、開校しようと考えたんですね。 宮崎さん: 仙台は新幹線に乗ればすぐに東京に出られるので、学生が出て行ってしまいがちです。弊社は地域に根付いてやってきた会社で、 地域貢献をしたい と考えていました。それに人材派遣業もやっているので、 人材育成への思い もありました。 ――そういう背景があったんですね。仙台といえば行政もIT産業振興に積極的ですよね。 宮崎さん: ええ、それが実はスクール開校にも大きく影響しているんです。弊社がSTUDIO事業への参入を検討していたとき、仙台市もデジタルハリウッドSTUDIOの校舎誘致に向けて動いていたようで、資料請求をしたら1週間経たずに本部のスタッフが仙台に来てびっくりしました。 ――それはグッドタイミングでしたね! 宮崎さん: そうなんです。それで仙台市とデジタルハリウッド、そして弊社の3者で連携協定を結び開校しました。資料請求から開校まで半年ほどでしたね。 ――すごいスピードで話が進みましたね。でも行政がバックについてくれることで、メリットも大きいんじゃないですか? 宮崎さん: はい。たとえば学生向けにイベントをする際には仙台市が支援して告知も手伝ってくれます。 近年は市と協力して都内の企業を仙台への誘致する活動も行っています。 ――おぉ、それはぜひ実現させたいですね!
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1枚1枚をみんなで貼り付けて完成しました!(ハウスに飾ってあるのでよかったら見に来てください!) 何気ない日常の一コマ。何もしない時間。でもそれがかけがえのない時間だったりするのです。 世界一大きな鮭いくら丼つくり!なんておちゃめなイベントを開催したことも! 利用者さんやスタッフ自作のハウスグッズ。ハウスへの愛と気合が感じられます!