白血病は 骨髄 の中で 白血球 が作られる過程で細胞が「 がん 化」する病気です。白血病は種類によって症状の出方が異なります。ここでは急性白血病と慢性白血病に分けて、それぞれの症状について詳しく説明します。 1. 急性白血病の症状について 血液は骨の中の骨髄という場所で作られています。急性白血病になると白血病細胞が骨髄内で増殖して、 赤血球 、白血球、 血小板 などの血液細胞が十分に作れなくなって全身に症状が現れます。また、増殖した白血病細胞が臓器へ影響を及ぼして症状として現れます。 急性白血病には「骨髄性」と「リンパ性」の2種類がありますが、どちらとも以下のような症状が見られます。 貧血 による症状 易感染性( 感染症 になりやすい状態) 易出血性(出血しやすい状態) 肝臓や 脾臓 、 リンパ節 の腫れなどの症状 これらの症状について詳しく説明します。 2. 白血病だから語りたい!初期症状と対策 - YouTube. 貧血による症状 日常的な言い方として、ふらつくことを「 貧血 」と表現することがありますが、医学的には 貧血 とは赤血球の中にある ヘモグロビン が少ない状態を指します。ヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ役割を担っており、これが不足すると身体が酸欠状態になって、「立ちくらみ」、「息切れ」、「 動悸 」などの症状があらわれます。白血病になると骨髄で作られる赤血球の量が減ってしまうため 貧血 を起こします。 立ちくらみはよくある症状で、健康な人でも感じることがあるのでそのままやり過ごしがちです。しかし、立ちくらみ症状のうらには 貧血 が隠れていることがあるので注意が必要です。 3. 感染症による症状 免疫 に関わる白血球が少なくなったり、外敵を認識し排除する 抗体 が少なくなることで、感染症にかかりやすくなります。呼吸器や尿路(膀胱や腎臓などの尿の通り道)に感染が起こることが多いです。呼吸器感染症では咳や痰などの症状が現れ、 尿路感染症 では 頻尿 や排尿時痛などが現れます。 発熱は、感染が起きた場所に関わらず起こりやすい症状です。 4. 出血しやすくなることで現れる症状 出血を止める機能のある血小板が減少することで、下記のような症状が現れます。 皮膚にあざ( 紫斑 )ができる 鼻血 が出やすい 歯茎から出血しやすい 血便 や黒色便がでる 血尿 が出る また、出血を止める機能と血液をサラサラにする機能のバランスが崩れて、 播種性血管内凝固症候群 ( DIC)という状態になることがあります。実際に起こることはまれですが、難しい言葉なので説明を加えます。 播種性血管内凝固症候群(DIC)について DIC は出血を止める機能と血液をサラサラにする機能のバランスが崩れた状態をいいます。白血病の中でも急性前骨髄球性白血病で起こることが多く、進行すると出血により臓器の機能が低下(臓器不全)してしまうことがあります。 DIC の初期症状には上記のような出血による症状がみられることが多いです。 5.
急性リンパ性白血病(ALL)にはどのような症状があらわれますか? 急性リンパ性白血病(ALL)の主な症状は、白血病細胞が骨髄や血液中で異常に増え、正常な赤血球、白血球、血小板がつくられなくなることであらわれます。赤血球が少なくなると貧血の症状(息切れや動悸)が出ることがあります。また、白血球が少なくなると抵抗力が低下し、感染症にかかりやすくなります。血小板が少なくなることで、出血しやすくなるため、鼻血が出やすくなったり、あざができやすくなったりもします。 初期の症状は発熱や体のだるさなど風邪の症状によく似ており、多くの患者さんはこうした体の異変をきっかけに受診します。病状が進行し、さまざまな臓器・組織に浸潤(がん細胞が周囲の組織に入り込んで、増殖すること)すると、肝臓や脾臓、リンパ節が腫れて大きくなったり、頭痛やめまいなどの症状があらわれることもあります。 小児の急性リンパ性白血病(ALL)の初期段階では、風邪のような症状や、不機嫌、なんとなく元気がないといった症状のみがあらわれることがあります。 図. 急性リンパ性白血病(ALL)の症状
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